成熟期を迎える保育業界における「園児募集」の重要性

成熟期を迎える保育業界における「園児募集」の重要性

いつもお読みいただきありがとうございます。
株式会社船井総合研究所の永田屋でございます。

今年度も折り返しを迎え、2022年度に向けた動きが少しずつ本格化してきている頃かと存じます。お読みいただいている皆さまの中には、昨今の保育業界全体の変化の中で、来年度以降の園児募集見通しに漠然とした不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

既にご存じの通り、近年の少子化と保育所の受け皿整備の影響により、待機児童数は年々大きく減少しております。皆さまの周辺の地域においても、保育の需給バランスが大きく変わり、定員割れを起こす園がちらほら出始めている、園への問い合わせが例年に比べ減ったなどといった現象が起こり始めているかもしれません。

これはある意味当然といえば当然の現象で、需要と供給の逆転現象が起こる、つまりニーズに対して受け皿が過剰になり始めたタイミングで、市場そのものの前提が大きく変わっているのです。市場のライフサイクルでいうと成長期から成熟期に入ったということになります。

このような現象は今全国の自治体で続々と起き始めており、仮に「まだうちは大丈夫」という地域であったとしても、全国的な時流を踏まえれば遅かれ早かれ同様の現象が起き始めることはまず間違いありません。

そうなると各園に求められるものは、「保護者に選ばれる力」です。
これまではある程度何もしなくとも、自治体が定員を埋めてくれるという環境がありました。しかし埋めなければならない定員枠に対して申し込みが少なくなると、当然ながらすべての園を充足させることはできません。保護者の人気・不人気がそこには如実に表れ始めます。つまり定員を埋めようと思うと、数ある園の中から「うちに通わせたい」と思ってもらえる保護者をいかに増やすかという視点がこれまでより強く求められるようになります。

皆さまの周辺の地域においても、少しずつ園児の確保が難しくなる中で、あそこはなぜかいつも子どもが集まっているという園があるのではないでしょうか。

もちろん背景には様々な要因があり一概に言えない部分もあるかとは思いますが、確実に言えるのはそこが「保護者に選ばれる力」がある園であるということです。一般的な経営用語においては、マーケティングの実践に成功していると言い換えることができるかもしれません。

このマーケティングという考え方、保育業界ではあまり浸透していないのが事実です。これも当然といえば当然で、供給に対し需要が大きい場合には、子どもがある意味自動的に割り当てられてくるため、そんなことに頭を使う必要がないからです。しかし上述の通り、保育市場全体の環境は大きな変動期を迎えています。他のあらゆる産業を見ても、このタイミングで事業者の淘汰が始まります。市場の転換点においては「これまでと同じやり方」では通用しなくなるのです。

では保護者に選ばれるためにはこれから何をする必要があるでしょうか?その答えの一つが、このマーケティングの実践です。マーケティングについては様々な研究がなされており、定義も様々なのですが、要は「売れる仕組みづくり」、保育業界においては「保護者に選ばれる仕組みづくり」とここではシンプルに定義したいと思います。

この仕組みを組み立てるために考える点をここではシンプルに大きく2つ、①いかに見込みの保護者と多く接点を持つか、②その保護者をいかに多く入園へと促すか、と定義します。

まずそもそも園のことを知ってもらわなければ、保護者に選ばれることはできません。これまでは自治体が保護者に園を割り当ててくれたため、積極的な発信は不要でしたが、既述の通りそれだけを当てにすることはできません。HPやSNSでの発信、地域行事等への参加、口コミ促進、イベントの開催、ポスター・パンフレットの設置などを通して、まずは園に興味を持ってもらう、来年度以降に向けた見込みの保護者を最大化させることが第1のポイントになります。

見込み保護者を集めたら、その方々をいかにして入園まで高い確率で結びつけるかが次のポイントです。供給過多な状況下においては、保護者は放っておいては勝手に入園までたどり着いてはくれません。イベントや説明会などを通して積極的に接点を持ち、園の理解促進を行ったり、理念や方針などへの共感を促して「ここに我が子を通わせたい」という気持ちを育てていく必要があります。

奥が深いマーケティングについてここで解説しきることは難しく、かなりざっくりした内容ではありますが、まずは上記2点について、現状の日々の保育経営においてどこまで意識して実践できているか、今一度見直すきっかけとしていただけますと幸いです。地域でなぜか子どもが集まる園は、このマーケティングという視点で何らかの強みをきっと持っているはずです。

ちなみにこのような保護者に選ばれる仕組みづくりについては、先ほどお伝えした通り保育業界ではまだそれほど浸透していません。だからこそ今取り組み始めることで、周りの園の一歩先を行くことができる可能性が大いにあります。市場の変化の荒波の中で、法人を永く安定的に運営していくためには、今が変化を始める最大のチャンスですので、今後の経営を考える上での一助となりましたら幸いです。

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・ 園児減少による経営悪化が深刻で、今すぐにでも園児を増やして収支の改善を図りたい。
・ 定員に空きが出てきているものの、認可保育所で大々的な園児募集活動はあまりやりたくない。
・ 少子化が進行する地域においてこれまで通り園児を確保し続けられるか不安…。
・ 園児募集の施策は分かっているものの、現場の職員を巻き込んで実施できていない。

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