選ばれる“園”から選ばれる“法人”へ=理念実装の経営パートⅠ=

2021年9月16日配信

テーマ:
ブランディング

選ばれる“園”から選ばれる“法人”へ=理念実装の経営パートⅠ=

皆様
いつも弊社、保育園・こども園経営.com のコラムをご愛読いただきましてありがとうございます。
船井総合研究所の菅野 瑛大(かんの あきひろ)です。
今回は、これからの5年、そしてその先にもつなげていくための土台作りになるテーマです。
本テーマは、全2回となります。
今週は基本的な考え方の整理を、次回に具体的な手法をご説明いたします。

5年、そしてその先を見る

第一期子ども・子育て支援事業計画にあわせて5年という短期間で、保育所等の施設整備が一気に進みました。
結果として、まだまだ課題感はあるものの待機児童問題は着実に解消に向かっています。
社会一般的に見れば非常に喜ばしいことです。
一方、施設経営側の視点に立つと、手放しではいられない現実があります。
なぜならば、地域によっては供給過多となり、定員充足率が高い園、低い園が生まれ始めているからです。
つまり、「選ばれる園」とそうでない園の二極化が進んでいることを意味します。
それでは、「選ばれる園」とはどのような園なのでしょうか。

選ばれる園から選ばれる法人へ

ご利用される方が、選ぶ基準を整理する際に用いることができるものが、
差別化の8要素です。
1.立地  2.規模  3.ストアロイヤリティ
4.商品力 5.販促力 6.接客力 7.価格力 8.固定客化力
特に、1~3を戦略的差別化要素(すぐに変えられない)と総称し、
4~8を戦術的差別化要素(企業努力で変えられる)といいます。
今の選ばれる、ないし、選ばれやすい園は
1.立地(自宅/職場間の利便性)と
4.商品力(ハード:新しいorきれいな施設、ソフト:わかりやすいプログラム)
によるものです。

それでは、今支持されている要素の中でも、自分たちで変えやすい要素である、
4.商品力に絞って検討してみます。

ハード面はその時は新しくとも、当然古くなっていきますから、
減点法式で中長期的に見たら加点されることが難しい要素です。
同時に、すでに施設そのものに歴史を重ねた園では、大きな投資をしない限り、
ここを変えていくことは難しいです。
次にわかりやすいプログラムですが、これも数年スパンでの時流がありますし、
一度入れたものは、現場の対応が困難である為、実は簡単には変えづらいケースが
多く見受けられます。

これらから言えることは、保護者の多くは表面的に見えている「園」の情報で
選択をしやすいため、それが陳腐化したなと感じたとたん、
全く別な法人の施設でも「わかりやすいもの(≒新しいもの)」に移っていきます。

それでは、どうすれば常に顧客の選択肢に入り、選ばれることができるのでしょうか。
その答えの一つが「法人として選ばれるようになる」ことです。
つまり、時間はかかりますが、3.ストアロイヤリティを高めていくことです。
1法人1施設の皆様は、園名=法人名のリンクがされるように、
複数施設運営されている皆様は、○○法人、▲▲社の★★園となるように、
ブランディング戦略をされることをお勧めいたします。

社会実装と理念実装

「保育園では日々の生活を大切にするため、差別化は難しいです」という声をよく聞きます。
もちろん、保育所保育指針に則り、各園児や地域特性に合わせたサービスを展開するため、
パッケージングも大きな差別化も簡単ではありません。
しかし、切り口、見せ方を変えるだけでそれを実現できるかもしれません。

突然ですが、皆様は「社会実装」という言葉をご存じでしょうか?
社会実装とは、学術研究等において蓄積されたノウハウ、ルール化されたものを、
実社会において活用していく、というものです。
イメージしやすい例として、医療分野があります。
多くの医師がたくさんの症例=事例を集め、新しい有効な治療法を確立したり、
治験データを蓄積し、効果を明確化してから新薬を私たちが使ったり、
というものがそれにあたります。
当然、こうしたものもケースによって使い方やアプローチを変えて活用されます。

つまり、一つひとつの細かいもの(データや事例等)を一度、とりまとめ概念化したものを、
改めてケースに応じて落し込み使用すること、これが社会実装です。

この考え方を保育園経営に、援用すると、
「日々の保育活動は、法人理念や保育理念を落し込んだものである」
と言えます。

ここで法人理念や保育理念を整理する1つの視点を示します。
法人理念 →  保育理念  ← 保育所保育指針等
                  ↓ (保育方針・保育目標等)
日々の保育
・法人理念は、サービスを通して法人として達成したいこと、
・保育所保育指針等は、抑えるべき下限品質を示したもの、
・そのバランスをとったものが、保育理念……という関係性です。
そして、その保育理念を方針や目標などでわかりやすく示し、
具体的に日々の保育に落し込んでいく、という形です。

この流れから言えることは、「日々の保育は、法人理念の実装(具現化)」である、
ということです。

法人理念が全く同じということは、確実にありません。
文字の並びは一致していることはあるかもしれませんが、
その言葉に込められた想いや背景は、それぞれのトップや代々引き継がれたもの、
地域性や時代によって異なります。

“異なる”ということはここに“差別化”のヒントが隠されています。

次回予告

それでは、このような考え方(理念実装)を、どのように「社会実装」するのか?
そして、なぜ選ばれる園ではなく、“選ばれる法人”を目指す必要があるのか?
その理由と実行手法は、次回コラムをお楽しみにしていただければと存じます。

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