【最新】こども誰でも通園制度の補助金要綱が出ました

2023年12月28日配信

テーマ:
時流・業界動向 園児募集 ブランディング

 


 

2024年最初のメルマガは昨年12月25日に開催されたこども誰でも通園制度についてです。
昨年末に2025年から試行的に実施されるこども誰でも通園制度に関するおおよその要綱が発表されました。
要綱の解説に加えて、認定こども園・幼稚園の経営の観点も含め本コラムで解説いたします。

解説の前に原文を確認されたい方は以下のURLより資料をご確認ください。

こども誰でも通園制度(仮称)の本格実施を見据えた試行的事業実施の在り方に関する検討会(第4回)

こども誰でも通園制度制度概要

本メルマガをご愛読いただいている方だとご存知の事と思いますが、2023年6月19日のコラム「こども誰でも通園制度のモデル事業について解説!」でもお話させていただきましたように、本制度の概要は以下でございます。

①0~2歳児のうち保育所等に通っていない保護者負担増
②保育所の空き枠による経営悪化
①、②に伴い、就労の事由に依らず子どもを預けることが出来る仕組みの構築

上記のような流れで議論がスタートしました。
12月25日に行われた「こども誰でも通園制度(仮称)の本格実施を見据えた試行的事業実施の在り方に関する検討会(第4回)」では、これまでの会議における中間取りまとめが発表され、制度の大枠が見えてきました。

かいつまんでご説明すると

・保護者の就労の事由は問わない
・利用者1名当たりの月当たり利用時間上限は10時間
・子ども1人1時間当たりの補助金は850円
・子ども1人1時間当たりの保護者負担額は300円
・障がい児を1名受け入れる場合の補助金は上記に加えて+400円

上記が概要となっております。
金額を見ていかがお感じでしょうか?

・安すぎる…
・これじゃあ人件費が賄えないんじゃ…
・今やっている未就園児教室に補助金が出ると思えば悪くない気もする…
・事務手続きはどうなの…?

等様々お感じになると思います。
金額の妥当性を判断するために、毎月の補助金を整理すると以下のようになります。

認定こども園・幼稚園経営から見るこども誰でも通園制度

解説すると、開園時間(対象園児を預かる時間)と定員に対する充足率を変数に計算しており、当然ながら開園時間も利用率も最も長く高いパターンが補助金が多くなります。

そのため、最も開園時間が長く利用率が高いパターンだと、1時間当たり6人の子どもがおり、代わる代わる利用するため、仮に全員1時間ずつしか利用しない場合、48人/日の子どもが来る計算になります。このパターンだと月当たりの収入が約120万円になります。

既にお感じの通り、こんなに代わる代わる来られると対応できない…という園がほとんどであるため、現実的な数字ではありません。
そこで、母子分離の未就園児教室で最も多いパターンに近いと考えられる、開園時間2時間の場合で行くと、時間当たりの利用者数は6人で、1日当たりの利用者数は12人となります。この場合、補助金は月当たり約30万円となるため、人件費約1名分になることがわかります。もう少し具体的にお話すると、

母子分離で未就園児教室を行い、

・週2日コース×2コース×定員12名×2時間
・週1日コース×1コース×定員12名×2時間
・合計:36名

を行うことが出来れば、上記の補助金を獲得することが出来る計算です。
この計算だと少し現実味があるのではないでしょうか。
これまである種広告宣伝費に近い形で運営してきたことを考えると、収支は大分楽になると思います。
一方で、保護者のニーズとしては長時間の保育であることを考えると、どれだけ長時間の保育体制を整えることが出来るかが焦点となります。

保育だけではなく、受入をする人が必要であることを考えると2名体制で実施することになり、1名正職・1名パートのような構成になることが想定されます。
そのため4時間の開園に対して、利用率が80%以上であれば、正職:27万円/月+パート:10.4万円(時給1,300円で4時間/日、週5日の場合)の場合人件費をカバーすることが出来るため、多くの園で実施できる形なのではないでしょうか。

まとめ

以上が制度概要と認定こども園・幼稚園経営の視点から見たこども誰でも通園制度に関する考察です。
大前提として令和6年度は試行的事業となるため、所在地の自治体が手を挙げない限り実施することはできません。
そのため、事業実施を検討されている方に置かれましては、まず自治体に実施状況をお伺いの上、ご検討ください。

認定こども園・幼稚園を経営するにあたり、長時間保育をどのように園で実現していくかはまずもって考えないといけない部分になります。
既に長時間の預かりをしている幼稚園であれば、次のステップとして認定こども園への移行も検討する余地があります。
また既に認定こども園への移行を実現している園であれば、より多くの園児を受け入れる体制を作るための、児童発達支援事業や放課後等デイサービス等の障がい事業の検討も必要です。

いずれの段階においても少子化をどのようにくぐり抜けていき、永続的な運営を実現するのかという視点で今必要な施策を検討していただければと思います。
上記にお困りの方は是非一度弊社までご連絡ください。
 

    

 


 

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