選ばれ続ける園づくり~職員の働きやすい環境について考える~

2021年8月10日配信

テーマ:
採用・育成 働き方改革

選ばれ続ける園づくり~職員の働きやすい環境について考える~

皆様、こんにちは。いつもご愛読ありがとうございます。
株式会社 船井総合研究所の樋口です。

暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしですか?
暑い夏を過ぎると徐々に来年度の職員意向調査を実施する園も多いのではないでしょうか?
今回はそのような時期になると気になってくる職員に関するお悩みについて考えていければと思います。

今後生き残っていく法人・組織をつくるために

職員意向調査の時期になると、
「来年度職員は足りるのだろうか?」
「不足分の職員採用に一体いくら投資しなければならないのか…」
上記のような不安や悩みが大きくなる経営者の方も多いかと思います。

保育業界は長年保育士不足に悩まされていますが、今後生き残っていく法人・組織をつくる上でも、現時点から“職員からも選ばれる園”を作っていかなければなりません。

逆に捉えると現時点から保育士が魅力を感じる園を作ることができれば、今後、より深刻化する保育士不足に対して取り返しのつかない状態に陥ることは避けられます。
今回こちらをお読みいただいている方はこの機会をチャンスと捉え、ぜひこの問題に向き合ってみてください。

『職員が魅力を感じる園』とは…?

では早速ですが、皆様は「職員が魅力を感じる園」と聞くと何を想像しますか?

①職場内の人間関係の不安・ストレスが少ない園?
②給与が高い園?
③ICTやシステムの導入による残業時間の削減等、事務仕事や仕事の負担が少ない園?
④有給休暇や産休・育休等のお休みが取りやすい園?
⑤その他の魅力

①~⑤の中に想像するものはありましたか?

実は①~⑤の全ての選択肢が、職員がその職場を魅力的に感じるポイントになります。
人それぞれ魅力的に感じるポイントは異なりますが、共通して言えることは、「職員がモチベーションを維持し続けることができるか」です。

上記①~④の選択肢は、厚生労働省の保育の現場・職業の魅力向上検討会(第6回)の資料内にある過去に保育士として就業した方が退職した理由上位5つを魅力に変換したものです。
※()内は退職した理由全体に占める割合
①職場内の人間関係の不安・ストレスが少ない園?→職場の人間関係(33.5%)
②給与が高い園?→給料が安い(29.2%)
③ ICTやシステムの導入による残業時間の削減等、事務仕事や仕事の負担が少ない園?→仕事量が多い(27.7%)、労働時間が長い(24.9%)
④有給休暇や産休・育休等のお休みが取りやすい園?→妊娠・出産(22.3%)

職員一人ひとりが何かしら自分に合った魅力を感じることができれば「モチベーションを維持し続けること」は可能です。
そしてそのモチベーション維持を助けるために法人として何ができるのかを検討していくことこそが、今法人がすべきこと、今後生き残る組織をつくるためにしなければならないことです。

職員が感じる魅力の柱を何本も立てることで組織は大きく強く成長していきます。
この魅力の柱の本数を増やし、太くしていくこと…それが法人を成長させることにもつながり、今後就職する保育士が就職先の園に求めていることになります。

そもそも園運営は、利用する人(子ども・保護者)、提供できる場所(施設)、そして園の運営を現場で実行する人(職員)がいないと成り立ちません。
「職員が集まる園(魅力がある園)→保育士が活き活きと働いている→子どもを預ける保護者も魅力的に感じ入園を希望する→より充実した施設・サービス付加・職員への投資ができる」という良い循環を作っていきましょう。

最後になりますが、今後、保護者から選ばれる園運営を考える際や、将来生き残っていく組織をつくる際、いずれも現段階から「現場の職員」が働きやすいと感じる職場について考えることは必須のポイントです。
これを機に「働きやすい職場」についてご自身の園を振り返ってみてはいかがでしょうか?

 

株式会社 船井総合研究所
保育教育支援部 保育グループ
樋口 佳央

<参考資料>
・厚生労働省 保育の現場・職業の魅力向上検討会(第6回)「資料1 保育の現場・職業の魅力向上に関する報告書(案)」(https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000672997.pdf 閲覧日:2021年8月9日)
・厚生労働省 保育の現場・職業の魅力向上検討会(第6回)「資料2 【概要】保育の現場・職業の魅力向上に関する報告書(案)」(https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000672996.pdf 閲覧日:2021年8月9日)

 

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