委託先の事業者間のトラブルを回避するための確認事項
皆さまこんにちは。
いつもお読みいただきましてありがとうございます。
本日は、公設の学童(放課後児童クラブ)への参入を検討されている方に、
応募される前に必ず確認をしていただきたいポイントについてお伝えいたします。
近年、急激に放課後児童クラブの民営化が進む中、委託先の事業者のトラブルが立て続けに起きています。
・引継ぎ中のトラブルによる、選定事業者の取り消し
・当初予定していた職員配置を下回る運営が続いたことによる住民訴訟
・新たな運営事業者による職員の解雇…
なぜ、このようなことが起きてしまうのか、原因は下記3つあると考えられます。
①引継ぎ期間が3カ月~6ヶ月程度しかない。
…保育園の民営化とは異なり、公募が実施される翌年には、選定事業者による運営が始まります。引継ぎについては短くて3カ月、長くても半年程度しか設けられておらず、その間で運営体制を整えていかなければなりません。
②自治体が委託前の運営実態を開示しない。
…事業者が応募する時点で各施設の運営状況(収支、人件費、管理状況)が開示されない場合、
引継ぎが始まってから想定とは大きく異なるような状況が発覚することがあります。その調整が追い付かず
トラブルになってしまうようなこともあります。
③全施設、もしくは広範囲の一括委託
…事業者への委託は本来慎重に行われるべきものですが、近年では全施設、もしくは広範囲の施設を
一括で委託されることが多く、上記のようなトラブルへの対処がより困難を極めています。
要するに、民営化におけるトラブルは、事業者側だけに問題があるということよりは、自治体の委託の進め方に問題があるケースも多くあります。このような状況の中で、できるだけトラブルを避けるためにも、皆様が公募に参加される際には、「現在の収支状況」と「引き継ぐ職員の雇用条件」について、必ず確認、もしくは質問をしていただきたいです。
これらが分からなければ、提示される委託料、指定管理料の妥当性が判断できないので、本来は開示されるべき情報ではあるのですが、残念ながら開示されないケースが多いのが現状です。
しかし、まずは質問をすることに意味があります。事業者が質問したにもかかわらず開示してくれない場合、後に現場の先生方と給与面などで折り合いがつかなかった際に、事前に確認をしたにもかかわらず開示してもらえなかったと説明がつきます。
無論、そのような結果になってしまうことは避けたいですし、選定された事業者はできる限り円滑な引継ぎを行い、利用者の不安を軽減させる努力はしなければならないということは変わりありません。
このように学童保育の民営化案件は、難易度が高いケースもあり、安易な参入は慎むべきです。一方で、案件としては良いものもあり、設備投資をかけず事業の幅を広げるきっかけにもなりますので、地力がある法人様においては、事業展開のチャンスにもなります。
要するに、参入前の見極めと、想定されるリスクについて正しく理解しそれを回避するための事前準備が重要であるということです!
本日はこれから検討される方に向けて確認をしていただきたいポイントについてお伝えいたしましたが、より詳しくお知りになりたい方は下記セミナーにご参加いただけばと存じます。
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/074076
最後までお読みいただき、ありがとうございました。