新卒職員に「今」伝えてほしいこと

2021年4月12日配信

テーマ:
採用・育成

新卒職員に「今」伝えてほしいこと

いつもご愛読いただきありがとうございます。
船井総研 保育・教育支援部の児玉 梨沙(こだま りさ)です。

新年度に入り、新入園児・新入職員を迎え、お忙しい日々をお過ごしのことかと思います。
新型コロナウイルスの感染拡大も続いております、どうぞお体ご自愛下さいませ。

さて、年度末から新年度にかけて相談の多いテーマの一つが「新卒職員の育成」です。

「日々の細かな業務については 先輩職員から教えることができても、社会人としての心構えや、
最低限身に着けてほしいビジネスマナーは何を、どこまで、どのように伝えればよいかがわからない。」

「こんなことを言って、『パワハラ』だと言われたり、すぐ辞められたりしたらどうしよう。」

「とは言いつつも、新卒職員の勤務態度や仕事における心構えがこのままではいけないと感じる。」

このようなご相談が日々のコンサルティングでも、また新規のご相談でも多くなる時期でございます。

新卒職員、とりわけ幼保業界では 新卒保育士/幼稚園教諭/保育教諭は国家資格を持ち、
「保育」や「幼児教育」の専門知識はあるものの、現場の経験がない自信を持てないことも多く、
「社会常識」「社会人としてのマナー」についてはあまり知らないことが多いです。

ただし、これは決して保育士の先生方が常識知らずだ、とかそういう話では決してございません。

新入社員の殆どは、どの業界でも自分の仕事に自信が持てないことが多く、
「社会常識」や「社会人としてマナー」を知らないのが当たり前で、
会社の研修や業務の中で覚えていくことが多いのですが、幼保業界はやや特殊な業界の為、
そういった研修がなかったり、社会との接点が限られた保護者や園児のみとなりますので、
業務の中で覚える機会が少なかったりと身に着ける機会がないことが多々あります。

そこで本コラムでは、実際に園向けに開催した新卒研修から一部抜粋して
新卒職員の育成でぜひ押さえて頂きたいポイントについてお話します。

1.「社会人」としての心構えは最初に伝えましょう

新卒職員が学生生活と社会人生活のギャップに苦しむ要因の一つに、
「社会人」としての心構えができていないことが挙げられます。

新卒職員がぶつかる壁として 以下が主に挙げられます。

✔ 学生時代(これまでの人生)の価値観とのギャップ
(自由で、何でも「個性」として許された学生から、組織の中で定められた役割を果たすことが求められる社会人へ)
✔ 怒られて精神的ショックを受けてしまう
(これまでの人生で先生や親にほとんど怒られたことがない新卒職員も多い)
(特に幼保業界は先輩職員だけでなく、保護者から厳しい意見を頂戴する機会も多いので、「怒られる」「叱られる」というのはなかなか避けられません)
✔ 自分の能力不足を実感して自信を喪失してしまう
(学生時代に評価されていたことと、社会人生活で求められることのギャップが大きい)
✔ 仕事のあまりの忙しさに絶望してしまう
(幼保業界に限らず、「慣れる」まではどの業界・業種も大変)

いずれも業界・業種問わず ぶつかりやすい壁ですが、変に「遠慮」してしまって 社会人としての「現実」を伝えずにいると、
いきなりこれらの壁にぶつかってしまい、悩みこんでしまうことがございます。

多少厳しい、伝えにくい内容でも、社会人として求める心構えや仕事の現実ははっきり伝えてあげた方が、
新卒職員も心の準備ができ、変化を受け止めやすくなります。

2.ビジネスマナーは可能な限り、網羅的にお伝えしましょう

日々の業務に直結することは教えていても、基本的なビジネスマナーにはあまり触れていない法人様は多いのではないでしょうか。

名刺交換やお茶の出し方、電話の受け方、席次の考え方等 たしかに新卒職員がすぐには求められない内容もありますが、
かといって先々改めて教えて頂く機会も少ない内容も多いです。
(実際に園の中核を担う中堅保育士さんから、「新卒時代にあまり教えてもらえなかったので、今になって苦労している」というお悩みをお聞きすることもございます)

特に円滑な保護者対応の為に知っておいて頂きたいビジネスマナーや話し方等の常識もありますし、
業務の中で絶対に必要というわけでなくても、知っていた方がずっと業務が進めやすくなるスキルもございます。

「新卒」として一から色々教えることができる最初で最後のチャンスですので、
いわゆる「社会人」として求められる基本的なレベルはクリアできるよう、
網羅的にお伝え頂くことをお勧めします。

3.「転職」に関する話題は「先に」触れておきましょう

「入職したばかりなのにもう転職の話題?!」と思われるかもしれませんが、
転職を本格的に考え出した後は残念ながら届かない内容も多いので、
入職したばかりの今だからこそ 転職に関する話題に触れて頂きたいです。

✔ 世の中に「転職情報」が溢れかえっている意味
(どの業界・業種もある程度は大変、そして転職斡旋はお金になるという事実)
✔ 期中退職や過度な退職はマイナスイメージを持たれやすい
(うちの園もすぐにやめてしまうんじゃないかと思われる)
✔ 「見えること(現在の辛さ)」と見えないこと(次の職場のこと)を比較していないか

これらのことを法人から最初にお伝えするのは、新卒職員自身の将来を真剣に考えれば考えるほど非常に重要です。

しかし、以上の内容は「法人」から伝えてしまうと
「パワハラ」等のように法人の思惑と違う捉えられ方をされかねないのが現代社会の難しいところです。

そこで船井総研では、スポット的に新卒研修をはじめとした 様々な研修講師も受け付けております
一般的な研修テキストを使いまわすような研修ではなく、研修前に数度 打合せの機会を頂くことにより、
法人や園が大事にしていること・していきたいことを打ち出した研修を実施させて頂いております。

「第三者」だからお伝えできる(しやすい)こともあるかと思いますので、もしよろしければぜひご相談下さい。

お問い合わせ:r-kodama@funaisoken.co.jp

《執筆者紹介》
株式会社船井総合研究所
保育・教育支援部 保育グループ
児玉 梨沙

東京大学教育学部で保育と教育に関する行政の諸対応を研究。
新卒で船井総合研究所に入社。主に保育事業の新規参入及び
運営コンサルティングを行う。現在は各業界の共通課題である
「人手不足」問題への対応をすべく各種制度の見直しを行っている。

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