これからのマネジメント(採用・定着)について
皆様、こんにちは。
船井総合研究所の西村優美子です。
本日はマネジメント(採用・定着)において、
考えておきたいこと、についてお伝えしたいと思います。
採用に関しては、以前にもこちらのコラムで
ウィズコロナ時代においての採用の考え方として、
オンラインの活用についてお伝えしております。
(またこちらのコラムでも取り上げますので、後日のコラムをご覧ください!)
採用手法の議論もありますが、あわせて考えなければならないことがあります。
一部メディアでもとりあげられましたが、
3密が避けられずに、園児や職員に感染リスクがあることに対するストレスを
多くの保育士が感じているという調査結果が報道されました。
こういった影響で、現職場の離職だけでなく、業界を離れる人が出てくる可能性もあります。
また、当然ながら、この秋から春にかけて予定されている新規開園もあります。
そう考えると、保育ニーズは変動はあるものの常に存在するため、
採用はこれまでと同じく厳しい状況が続くと言えるかと思います。
法人として、職員の感染リスクに対してどういった対応をとっているか、ということも、
一つの職場選びのポイントになってくる可能性も十分に考えられます。
実際に、保育士求人を調べると、オンラインで面接ができるということはもちろん、
入職後の対策等についての項目や文言を求人内容に盛り込む法人も出てきています。
(コロナ対策・感染対策・給与補償等)
とはいうものの、園児に保育・教育を提供するという職業において、
3密を避けることはなかなか難しい状況ではあります。
弊社が主催する保育園・こども園・幼稚園の経営者向けの経営研究会にて、
3密を防ぐ一つの工夫として、職員コミュニケーションの施策を
いくつか紹介いたしました。
①研修
②会議・ミーティング
③面談(本部と各園の間で行う場合等)
それぞれ実施内容は通常とほぼ変わりませんが、
工夫されている園では、
職員同士が密に集まる場を避けるために、オンラインを活用して実施されています。
(オンライン化した上でスムーズに進めるための工夫は必要になります)
場合によっては、(“自宅待機”という意味合いではなく)通常勤務として
在宅勤務等も組み合わせた勤務形態の検討も、インパクトをもたらす可能性もあります。
(在宅勤務の場合は、ネット環境やセキュリティ対策、
場合により就業規則の変更等が必要になりますので、事前にご準備頂く必要があります)
また、採用活動ももちろんですが、
今現在働いている職員に安心して働き続けてもらうためにも、
上記のような考え方は重要になります。
さらに、園によっては完全休園や縮小運営により、
特に新卒学生の方は入職してすぐに自宅待機となってしまったケースもあると思います。
7月に入り、ようやく通常通り働き始めて約1か月が経った時期でもあります。
なれない環境でストレスが顕在化してくる時期がいつもより遅れて、
丁度今頃の時期に訪れる可能性もあります。
複数要因でストレスを感じるケースも出てくるため、
精神的な安定をはかるためにも、今まで以上のケアが必要になるかもしれません。
定期的な個別の面談や、過去にご紹介しているメンター制度の導入等を活用しながら、
・組織(園長等幹部層)⇔現場職員
・先輩職員⇔後輩(新入)職員
それぞれの階層でのコミュニケーションの強化をはかることで、
それぞれのつながり・信頼関係を強化し、
精神的にも安心して働ける環境づくりを行っていくことが
離職防止の観点からも必要になってきます。
少し古いデータになりますが、平成28年度に厚生労働省より、
アンケート回答に応じた保育園において、
メンタルヘルスケアに関する支援(相談体制やチェック機能等)がない保育園が
半数越えしているという報告がありました。
その一方で、メンタルケアを必要としている等の保育士は1/4以上の園で1人以上確認されたという結果も出ています。
調査から少し時間はたっていますが、ストレスを感じる要因が増えたこのタイミングで、
業界としても再び求められてくることも考えられます。
またこちらのコラムでも、このテーマを取り上げていきたいと思っております。
ここからのマネジメント(採用・定着)を考える上で、
是非一度、園の状況を振り返っていただければと思います。