企業主導型保育事業における処遇改善等加算の取得について
皆様
いつも弊社の保育園・こども園経営.comのコラムを
お読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所の吉田健人(よしだけんと)です。
本日は企業主導型保育事業における処遇改善等加算の取得についてです。
企業主導型保育事業においても処遇改善等加算が申請できますが、
認可保育所や認定こども園を運営されている方も制度が異なり、
悩まれている方も多くいらっしゃいます。
企業主導型保育事業を運営されている事業者の皆様・
今年度開園された方々、令和2年度の新規募集で申請を出された方々からも
「制度が複雑で難しそうだ」
「申請したら自園でいくら処遇改善等加算が取れるのかよくわからない」
「処遇改善等加算取得にあたっての必要書類がよくわからない」
「実際はどのように改善したらよいのかが明確になっていない」
といった声を非常に多く頂いております。
これまでのコラムでも処遇改善等加算の運用や、
処遇改善等加算Ⅱを活用したキャリアパスの構築などをお伝えしてきましたが、
そもそも処遇改善等加算の申請の段階からよくわからないといった声が多く寄せられました。
そこで、本コラムではこれまでの企業主導型保育事業の処遇改善等加算のコラムのまとめとして、今年度から自社の企業主導型保育事業でも
処遇改善等加算を活用して保育士のキャリア支援を行っていきたい
とお考えの事業者の方々向けに、
最新の企業主導型保育事業の要綱に沿って、
処遇改善等加算の申請方法からまったくわからないといった方でも、
事業変更申請・改善・完了報告までの手順をお伝えさせていただきます。
申請から完了までの流れは下記の通りです。
①加算額概算を算定する
②事業変更申請を行う
③申請にあたり必要な資料をそろえる
④要綱で規定されている資料をそろえる
⑤職員への周知・辞令交付・賃金改善を行う
⑥事業完了報告にて処遇改善等加算実績報告を行う
①加算額概算を算定する
処遇改善等加算の申請にあたり重要なポイントとして、
自社の企業主導型保育事業所では申請することで
大体いくらくらいの処遇改善原資が請求できるかを確認しましょう。
概算額に基づき、賃金改善計画を作成する必要があるため、
重要なポイントとなります。
運営費申請画面・事業変更申請画面では、
必要事項を入力すれば自動で積算されるシステムとなっているため、
申請画面でも必要事項を入力すれば概算額の算定は可能ですが、
処遇改善等加算Ⅰについては当該年度における各月初日の利用子ども数の見込みをもとに
算出した平均利用子ども数によって額が変動するため、
より正確な見込みに基づいた積算を行いたい方や、
申請画面に入力する前に処遇改善等加算見込額が知りたい方は
一度手計算してみてもよいかと思います。
処遇改善等加算Ⅱについても園児数によって人数A・人数Bが変動する可能性があるため、
実際の見込み額の積算はしておく必要があります。
②事業変更申請を行う
今年度から処遇改善等加算の加算の取得を検討されている法人様は、事業変更申請にて処遇改善等加算を新たに取得する必要がございます。
今年度は9月30日まで申請期間となっております。
③申請にあたり必要な資料をそろえる
企業主導型保育事業では処遇改善等加算の申請時に必要な資料として、
処遇改善等加算の申請をする前まで運用していた
給与規定(労働基準監督署の捺印がされているもの)と
処遇改善等加算の賃金改善項目を追加した給与規定の提出が求められています。
そのため、申請にあたり、
処遇改善等加算の内容を盛り込んだ新たな給与規定を作成しておく必要があります。
④要綱で規定されている資料をそろえる
申請時には上記の資料をそろえることができれば
処遇改善等加算の申請自体は可能です。
ただ、要綱では給与規定以外に
・キャリアパス要件届出書(処遇改善等加算Ⅰのみを受ける場合必要)
・賃金改善計画書
・賃金改善実績報告
が必要とされています。
キャリアパス要件届出書では職員との意見交換を踏まえた
資質向上のための目標の策定やその目標実現のための
具体的な取り組み内容を記載する必要があります。
賃金改善計画では具体的な賃金改善対象となる職員の職名・職種・改善する
給与項目を記載した資料を作成しましょう。
上記は基本的には申請画面に入力する内容となります。
⑤職員への周知・辞令交付・賃金改善を行う
処遇改善等加算の取得を決定し、いつから賃金を改善するか決定したら、
実際に職員への周知・対象者への辞令の交付・実際の改善を進めましょう。
特に処遇改善等加算Ⅱについては毎月決まって支払われる手当や基本給での改善となり、
さらに副主任相当、職務分野別リーダー相当のどちらも改善を行っていないと加算が取得できなくなってしまいますので、予定している賃金改善計画の期間から改善を始めておく必要がございます。
⑥事業完了報告にて処遇改善等加算実績報告を行う
最後は年後完了報告の際に行う実績報告です。
企業主導型保育事業では、年度が終了した後、4月以降に年度の事業完了報告を行う必要があります。その際に処遇改善等加算の実績報告として、
Ⅰ・Ⅱともにどのように改善したかの報告を行う必要がございます。
この完了報告にて実際の賃金改善額が確定します。
以上が処遇改善等加算取得から完了報告までのおおまかな流れとなります。
こちらの内容を参考に是非法人内で処遇改善等加算の取得を検討し、キャリアパスを構築して職員がやりがいをもって働ける園づくりを行って頂ければと思います。
また、「文章ではなかなか実際の申請のイメージがつきにくい」、
「実際の申請や改善の方法について具体的な事例が聞きたい」
という方のために、
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