評価制度の形骸化を防ぐ!「評価項目」の絞り込みと評価のブレをなくす「人事会議」とは
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船井総合研究所 子育て支援部の児玉です。
評価制度において、「作る」こと以上に難しいのが、現場で正しく「運用する」ことです。
せっかく構築した等級や賃金の仕組みも、現場での評価や指導が伴わなければ、組織の成長にはつながりません。それどころか、「結局、園長のお気に入りだけが評価される」「頑張っても評価に反映されない」といった不信感を職員に与えてしまい、離職の引き金になることすらあります。
本日は、現場が迷わず運用でき、かつ職員の納得感を最大化するための「評価項目の絞り込み」と、評価のブレをなくす「人事会議」の重要性について解説します。
評価項目は「10項目以下」に絞るべき理由
多くの園で失敗しがちなのが、評価項目を細かく設定しすぎることです。項目が30も40もあると、評価者(園長や主任)の負担が限界に達し、結果として「なんとなく」の評価に陥ってしまいます。
一人の園長や主任が5人から10人の部下を評価する際、40項目を一つひとつ精査しようとすれば、それだけで膨大な時間を要します。多忙な現場において、そのような緻密な作業は現実的ではありません。その結果、期限ギリギリに「だいたいこれくらいだろう」と直感で点数をつけてしまい、評価制度の形骸化に繋がります。
豊富な評価項目は、職員のスキルマップとしては有効な場合も多いですが、等級や賃金に直結する評価制度においては、かえって「悪手」となることも少なくありません。
特に一般職員の評価項目については、定性項目・定量項目合わせて10項目以下に絞ることを推奨させていただいております。
定性項目(行動評価):法人の行動指針やクレド(「誠実・素直」「チームワーク」など)と連動させ、日頃の業務指導で使われる言葉をそのまま評価基準にします。項目を大きくまとめることで、フィードバックの際に具体的なエピソードを交えて感謝を伝えやすくなるほか 、是正が必要な場合についても、項目と連動させた「評価の一環」として指導しやすくなるメリットがあります。例えば、「誠実さ」という項目があれば、「あの時の保護者対応での真摯な姿勢が、まさにこの評価に繋がっていますよ」と、具体的な事実に基づいたフィードバックが可能になります。
定量項目(数値評価):「出勤率」「提出物提出率」「研修参加率」など、誰が見ても客観的に判断できる数値を組み込みます。これにより、声が大きい職員や主観的な印象に評価が引きずられることを防ぐことができます。また、定量項目を設けることは、評価者側の「心理的心理障壁」を下げる効果もあります。全てを主観で判断するのは精神的に疲弊するものですが、事実に基づいた数値があれば、自信を持って評価を伝えることができるからです。
評価者の「目」を鍛え、管理職の「芽」を見つける「人事会議」
制度が機能しない最大の原因は、評価者による「評価のブレ」です。年に2回の評価タイミングで職員の行動を振り返ろうとしても、詳細をなかなか思い出せなかったり、直近の出来事に評価が左右されたりといった現象が起きます。また、評価者ごとの「甘辛(厳しすぎる・優しすぎる)」が発生しやすく、施設間の不公平感にもつながりかねません。
これらを解消するのが、管理職が集まって部下一人ひとりの状況を共有・報告し合う「人事会議」です。
「〇〇さんのこの行動は、評価を上げるべきか?」といった議論を定期的に繰り返すことで、園全体での評価基準が統一されていきます。「それはうちの園では当然の行動だから、標準の『B評価』だね」「いや、この状況下でその配慮ができたのは特筆すべき『A評価』だろう」といった対話を重ねることで、管理職の「見る目」そのものが磨かれていくのです。
さらに、人事会議にはもう一つの重要な側面があります。それは、管理職自身のマネジメント能力の可視化です。部下の成長を具体的にプレゼンできる園長・主任は、日頃からよく部下を見ている証拠です。逆に、「特に問題ありません」といった抽象的な報告しかできない管理職に対しては、経営陣が指導に入るきっかけとなります。
また、この場は日々の業務で見過ごされがちな職員の頑張りを発見し、次世代リーダーとなる「隠れた逸材(芽)」を発掘する貴重な機会となります。
まとめ:評価制度を形骸化させないためのポイントとは
人事評価制度は、一度作って終わりではありません。「知っている」状態から「やっている」、そして現場で「できている」状態にまで引き上げて初めて、採用・育成・定着における「武器」になります 。
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