“Z世代だから”は関係ない!毎日できる保育士人財育成のポイント

2024年6月14日配信

テーマ:
採用・育成

皆様
いつも保育園経営.com のコラムをご愛読いただきましてありがとうございます。
船井総合研究所 子育て支援部の菅野 瑛大(かんの あきひろ)です。

いつの時代も人のマネジメントは難しい、という課題があります。
特に、世代間ギャップによるものは、常に言われています。
少し前は「ゆとり世代」問題があり、今は「Z世代」問題です。

前者では、指示待ち傾向や過度なプレッシャーに弱いため、
仕事を整えて伝えていきながら、その伝え方や質の担保の仕方には配慮が必要、
といった課題と対応が多くありました。
後者では、ゆとり世代以上にワークライフバランスを重視しており、
タイパ(タイムパフォーマンスの略)と言われるように、
良い結果をすぐに求める結論を先取りしたがるという傾向がよく見られています。

しかし、これらはその世代のメンバーが悪いのではなく、
そういったムーブメントになるような社会環境の中で教育・成長してきたからです。
結果的に、ゆとり世代的働き方価値観は、今やだれでも当たり前に求めています。
これを担保できなければ、コンプライアンス問題などともいわれてしまいかねません。
もっと言えば、Z世代のタイパ的視点は、使い方さえ間違えなければという条件付きですが、
最小投資で成果の最大化を図るものになる得るため、企業活動として重要な視点です。

既に多くの対応はしてきた経営者の皆様

こうした課題に対応するために、法人/園経営をされている皆様は、
既に多くの取り組みをされてきています。
例えば、
研修(階層別、テーマ別)や新たな雇用形態(短時間勤務、週休3日制、契約職員)創出
をはじめとしたワークライフバランス設計(育休・産休、プライベート支援)、
一人ひとりをサポートする個人面談やメンター制度、加配でのノンコンタクトタイム確保、
職員間のつながりを強化するための交流会やサークル活動や権限移譲など、
上げていくときりがありません。

しかし、これだけやっているのに、なぜ変わってくれないのか?
課題が解決していかないのか?
この答えは、

「意図が伝わっていない、理解してもらえていない、だから個々人に押し込まれていない」
ことが理由です。

より解像度を上げていくと、それぞれの取り組みがより具体的に何に効く取り組みかが、
計画的に設計されていない/されているがそれが有機的につながっていない可能性がある、
と言えます。

人財育成に必要なものは、求める人物像の見える化

取り組みを連動させる前に、まず自分たちが向かう先を整理する必要があります。
法人が実現したいこと・・・・パーパス、法人理念、事業理念、Founder‘s Sprit
 ↓
各事業で達成できること・・・各事業目標
 ↓
各職員にしてほしいこと・・・各事業方針

これのもとに、
 ①目標達成の為にキーになる知識・スキル
 ②目標達成に必要なマインド
  品質アップ/夢の実現↑↓安全・安心の担保
 ③法人職員としての下限品質
 ④職業人としての下限品質
のように求める知識やスキルの方向性を見える化し、各取り組みがどれに連動しているか、
そのうえで、アプローチが正しいのか、対応策に抜け漏れはないのかを整理をしていきます。

その結果よく見えてくるのはOff-JTの充実さに対して、OJTの弱さが目立ちます。
※OJT:On the Job Training・・・日々の業務を通して成長を促す
Off-JT:Off the Job Training・・・研修等の学習時間を通して成長を促す

OJTの重要性に着目する

仕事をするうえで、学ぶ時間よりも圧倒的に「業務の時間」が多くなります。
そのため、仕事をしていれば「結果的に身につくよ」という考え方はある意味、正しいです。
一方で、具体的には何が、どのように、いつ、身につくのでしょうか。
これは非常にタイパも悪ければコスパ(コストパフォーマンスの略)も悪いものになります。

日々の当たり前の業務だからこそ、すべてはできないにしても肝になる業務については、
丁寧にサポートすることで、正しい学びを得る機会となります。
OJTのポイントは、
①Show(やって見せる) ②Tell(目的等伝える・Q&A)
③Do(業務へ取り組む) ④Check(反省・改善・補足)
のステップです。しっかりとPDCAサイクルを回す形をつくってあげます。
繰り返しですが、これをすべての業務で行うことは理想ですが、
まずは1つ、2つでもよいので絞って行ってみてください。

ポイントは上記のような「仕事の設計図を共通理解」し、「目的を明確」にすることで、
その仕事や業務をする意味が分かったうえで、最短ルートで答えにたどりつくように、
誘導していくことです。

まずは日々のOJTを丁寧に行うことが、人財育成の第一弾大きなポイントになってきます。

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