処遇改善等加算の制度概要は?

2026年3月3日配信

テーマ:
処遇改善等加算

令和7年度、従来の「処遇改善等加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」は廃止され、「処遇改善等加算の一本化」がなされました。新たな制度では、一本化された加算の内訳を「区分①」「区分②」「区分③」の3階層で捉えることが重要になります。

1.新しい「3つの区分」の詳細定義

新制度における3つの区分と、旧制度(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)との対応関係は以下の通りです。

区分①:旧 加算Ⅰ(基礎分)

  • 職員の平均経験年数や勤続年数に応じて算定される、加算の土台となる加算です。 旧制度の「加算Ⅰ(基礎分)」と同様に、園全体の経験年数が上がるほど単価が高くなる仕組みが維持されます。これは特定の手当というよりは、「人件費の基礎財源」としての性質を持ち、昇給の仕組みの整備や職場環境の改善に充てます。

区分②:旧 加算Ⅰ(賃金改善要件分・キャリアパス要件分)+旧 加算Ⅲ

  • 職員の賃金改善を行うための加算です。役職に関わらず、広く職員の給与を底上げするための原資となります。

区分③:旧 加算Ⅱ

  • 専門リーダー、職務分野別リーダーといった「役職」や技能に応じて支給する加算です。 旧制度の「加算Ⅱ」がそのままスライドするイメージで、主任未満のリーダー層へ手厚く配分するための原資となります。

2.施設型給付金(公定価格)による経営の安定化

区分③は、役職に応じた処遇改善を目的としているため、対象職員には「キャリアアップ研修」の修了が要件として求められます。制度が一本化されても、この「質の向上」の要件は維持されます。

具体的な要件は、旧加算Ⅱのルールがベースとなります。

【副主任保育士・専門リーダー等(月額4万円配分相当)】

  • 研修要件: 保育士等キャリアアップ研修のうち、4分野以上(60時間以上)の修了(※令和8年度以降)が必要です。

【職務分野別リーダー等(月額5千円配分相当)】

  • 研修要件: 保育士等キャリアアップ研修のうち、担当する職務分野を含む1分野以上(15時間以上)の修了が必要です。

【運用上の注意点】 区分③の加算を受け取るためには、上記の研修を修了した上で、園として正式に「発令(辞令交付)」を行う必要があります。研修計画は単年度で完了するものではないため、計画的な受講スケジュールの管理が不可欠です。

3.経営者が準備すべきポイント

制度移行に向けて、以下の観点でシミュレーションを行うことをお勧めします。

現行の給与項目の整理: 自園の給与明細にある「処遇改善手当」などが、新区分の①②③(役職)のどれに該当するかを再確認します。

運営費の主軸となる補助金で、基本的に「毎月」支給されます。毎月のキャッシュフローが安定するため、長期的な経営計画が立てやすくなります。また、手厚い職員配置が可能になる「加算」が充実しています。

新・賃金規程の作成: 特に「旧加算Ⅰ(賃金改善分・キャリアパス要件分)」と「旧加算Ⅲ」が『区分②』として統合されるため、これを「基本給に組み込む」のか「一律手当として支給する」のかなど、明確なルール作りが必要です。

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