皆様
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船井総合研究所の菅野 瑛大(かんの あきひろ)です。
処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの事務手続き簡素化
こども家庭庁2024年2月19日の第5回子ども・子育て支援等分科会(以下、「同分科会」とする)にて、
「公定価格の処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの一本化について」という議題があがりました。
処遇改善等加算(以下、「処遇改善」とする)は、保育士をはじめとした職員の皆様の待遇改善に向けて、
収入上限に限界のある保育事業にとって重要な加算項目です。
一方で、運用が難しい、適正な配分ができない、不公平感が発生するなどといった、
多くの課題があることも事実です。
実際に、同分科会においても、上記の課題があげられている他、各種資料提出の複雑さも含め議論がされています。
一本化に向けて検討されている内容
現在、様々な内容が検討されていますが、金額を除いて保育経営をされる皆様にとって大きい要素として、
①加算要件(賃金改善の方法や対象者条件=研修受講修了状況など)
②配分ルール
③配分結果の確認と報告方法の一本化
といったものが中心に議論されています。
この一本化は積極的な議論が行われており、令和7年度に向けて調整が進められています。
制度変更への本気度が伝わるのは、既に令和6年度のについては計画書の提出を原則廃止し、
賃金改善を行う旨の誓約書を提出することで加算取得を認めていく方向性になっています。
“楽”にある落とし“穴”
今回の制度変更は、各保育施設のみならず行政側の手間を削減することができるwin-winの内容です。
ここから考えられる点は、簡素化されることで、「本来しっかり見たい内容」に切り込む余裕ができるとも言えます。
例えば、監査時にはどの監査員も「処遇改善は“根拠をもって”配分されていますね」という確認をします。
もちろん、業務内容や貢献度を考慮して処遇改善の配分はされていることでしょう。
しかし、こうしたものが「客観的なもの」になっているという法人様は多くはないのではないでしょうか。
こうした質問をされるということは、今後、考えられる方向性として、
「資料は簡素化する」ただし何等かの「客観的指標を基にした配分根拠」を示すこと
を求められる可能性があります。
時流予測ができるのであれば適応の前に準備を
来年度からの制度変更を目標に動いている中、今、すべきことは何か。
それは、これまで後回しになっていた「人事戦略」の再検討です。
ここ数年で増えてきたご相談内容として、
・採用戦略の検討
・等級号棒表の再構築検討
・育成制度の検討
・評価制度の導入
といった内容があります。
これらはすべて、「保育の質向上」につながる内容と同時に、
今回起こるであろう制度変更にも対応できる内容ばかりです。
もちろんすべてが数値で収まるものではありませんが、
定性×定量のバランスをもった処遇改善の支給準備をオススメいたします。
準備期間が1年あれば十分余裕をもって、テストも含めて実施できます。
5年単位で動いていた業界のスピード感が上がってきています。
まずスピード感に適応し、予測への準備をしていきましょう。
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