「令和6年度は保育業界の大きな変わり目」

2024年2月28日配信

テーマ:
時流・業界動向

皆様いつもお読みいただき、ありがとうございます。
船井総研の堀内です。

少しキャッチーなタイトルを書いてみましたが、これからの保育業界を考えるうえで令和6年度は制度的に大きな分岐点になると思っています。

結論を先にお伝えすると、大きな2つの計画の変化が起こる年だからです。

順々にお伝えしましょう。

①新子育て安心プランの終了
ご存知の方も多いかと思いますが、国は「令和3年度から令和6年度末までの4年間で約14万人分の保育の受け皿を整備する。」という新子育て安心プランを推進してきました。
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/2a95e4d4-0ac8-4438-8527-e12d7fe55f4e/d817e86b/20230901_policies_hoiku_anshin-plan_01.pdf
このプランは待機児童の解消を目指して、集中的に保育所を整備していく施策でしたが、令和6年度末の終了が見込まれています。昨年4月時点の待機児童数を鑑みるに延長は想定しにくくなります。そのようになると新たな保育所設置は落ち着き、再編がますます活発になります。

様々な自治体の人とお話をしていると、来年度も待機児童が出るかもしれないという声も聞きますが、0歳児の利用率の減少に加え、出生数の大幅な減少を加味するとやはりいままでのような保育所整備はなくなるでしょう。
一部、待機児童が出そうな地域の話を聞くと
*保育士確保が出来なかった
*0~2歳の無償化要件の緩和による申し込み増
が要因として出てきます。要因の一つが保育士の確保であることからも、やはりいままでのような整備状況にはならないでしょう。

②各自治体の子ども・子育て支援事業計画の発表
保育事業を営む皆様はご覧になっているかと思いますが、多くの自治体で「子ども・子育て支援事業計画」という計画が定期的に作成されています。
ご存知ない方はぜひ、「市区町村名 子ども・子育て支援事業計画」で検索いただくといいと思います。自治体の考える子育て施策の課題や、地域にどのような子育て支援ニーズがあるのか知ることが出来ます。
実は船井総研でも一部の自治体の計画策定の支援を行っています。
こちらの計画策定を行うために住民に対してアンケートを実施し、その内容を持って今後5年間のその自治体の子育て支援に関する計画を策定していくわけですが、この現行の計画は令和6度末で終わります。そして新たな計画が令和7年から開始される予定です。したがって、「子ども・子育て支援事業計画」観点から見ると自治体レベルの子育て関連施策が大幅に変わる可能性があるわけです。

上記2つの変化を踏まえたとき、ひとつは国レベル、そしてもう1つは自治体レベルですが、保育を取り巻く外部環境が大きく変わる可能性があります。

これらの変化を前に取るべき行動は大きく2つです。
ひとつは、今ある構想は今のうちに実施してしまうこと。

これからの計画変更がもしあった場合、今ある制度が今後なくなってしまう可能性があります。いつかやろうと思っていると、その制度がなくなってしまうということはよくある話です。すでにやりたい事業がある方は令和6年度が最後のチャンスとなってしまうかもしれません。

いまチャレンジが難しい場合は、中長期の計画を考えるきっかけです。
今後、国や自治体からどんな制度が出てくるか手探りの部分もあります。いまチャレンジが難しい方にとっては、どんなことを取り組みたいか、どんなチャレンジをしてみたいか、この辺りを明確にしておく貴重な時間でもあります。
令和7年に新しい計画が出てきたタイミングはある意味、「よーいドン!」の新しい事業にチャレンジするタイミングかもしれません。それに備えるための大切な1年になるかもしれません。

少し要点を中心にお伝えしましたが、外部環境を踏まえて園の経営について、少し一緒に考えて欲しいという方もいらっしゃいましたら是非ご連絡ください。一緒にぜひ考えていければと思います!

堀内

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