いつも コラムをご覧いただきありがとうございます。
船井総合研究所 子育て支援部の岩本一希です。
今回のコラムでは、企業主導型保育事業の処遇改善等加算について、全3回のコラムの第3回目として、企業主導型保育事業における処遇改善等加算Ⅲについてお伝えします。
現在新規加算追加申請でご申請いただいた方も多いかとい思いますが、
処遇改善臨時加算との違いに悩み方も多いかと思います。
本コラムをぜひご参考にいただければと思います。
企業主導型保育事業における処遇改善等加算Ⅲとは?
処遇改善等加算Ⅲは2022年から開始された処遇改善臨時加算に代わって創設されたもので、
職員の賃金の継続的な引上げ(ベースアップ)を通して、
「長く働くことができる」職場環境を構築し、質の高い教育・保育の安定的な提供に資することを目的としています。
企業主導型保育事業における処遇改善等加算Ⅲの積算方法について
加算の算定は、処遇改善臨時加算の時と大きく変わっており、算定の基礎となる職員数に11,000円(2023年度)をかけて計算します。
算定の基礎となる職員数は、各年齢の利用園児数・専任の施設長設置有無・夜間保育実施有無で計算されます。
企業主導型保育事業の処遇改善等加算Ⅲの配分について
本加算の配分対象職員は、調理員や病児保育事業に従事する看護師・連携推進員等幅広く設定することが出来ますが、法人役員を兼務する施設長は対象外となります。支給対象者や支給額については事業者の判断に基づいて実施ができますが、合理的な理由なく特定・一部の職員に偏った賃金改善を行うなどの恣意的な改善とならないようにする必要があります。
社会保険料の事業主負担の増加分については、他の処遇改善等加算と同様に、賃金改善分とは別に上乗せして加算額が設定されています。
配分額は園側で自由に決めることができますが、
処遇改善臨時加算と同様に、最低でも賃金改善の合計額の3分の2以上は、基本給又は決まって毎月支払われる手当の引上げにより改善を図る必要があります。職員の異動等により事業終了後に残額が発生してしまった場合には、返還を行う必要があります。
処遇改善等加算Ⅲは毎月の園児数によって支給金額が変動します。また、職員の入退職によって園から配分する金額も変わってくるため、予定外の事態に対処しやすいように、総額の70%(2/3相当)を毎月の手当として配分しつつ、そのほかは賞与や一時金で配分する園が多いです。
【ダウンロードレポート】企業主導型保育事業向け処遇改善等加算の基本
以上いかがでしたでしょうか。
本コラムが企業主導型保育事業での処遇改善等加算Ⅲを運用する上での一助になれば幸いです。
今回コラムで触れなかったそのほかの処遇改善等加算(Ⅰ・Ⅱ)についてや、その具体的な配分方法、他園の配分事例、監査時の対応方法など、より詳しい処遇改善等加算の解説をレポートにまとめております。無料でダウンロードできるためぜひご覧いただければと思います。
企業主導型保育事業向け 処遇改善等加算セミナー
また、さらに詳しく処遇改善等加算について解説するセミナーを11月下旬~12月上旬に開催いたします。
WEB開催ですのでお気軽にご参加いただければと思います。