【保育士採用難】“働き方改革”が改めて注目されています

2023年10月30日配信

テーマ:
時流・業界動向 働き方改革

いつも コラムをお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所 子育て支援部の菊地です。

今回は表題の通り“働き方改革”についてのお話です。
皆さまも体感している部分があるかと思いますが、弊社としても今年度は特に保育士採用に苦戦している保育園が増えているように感じています。
人材紹介会社様からも紹介できる方があまりいないというお話も聞きます。
この原因については下記のような外部環境が影響しているものと考えられます。
① 保育園の新規開設が以前に比べ減少したことで人材の流動が鈍化した
② 昨年度の保育現場における事故・不適切保育の報道増により、不安を感じ、保育士の成り手が減少した
③ かねてより課題となっている給与や労働条件の厳しさが改善された印象が薄く、保育士という職への魅力が減少し続けている

これらは業界を取り巻く課題であるため、いち事業者の力で抜本的な改革を行うことは難しく、これからも採用難は続く可能性が非常に高いです。
そんな中、「配置基準の見直し」「こども誰でも通園制度(仮称)」などの、より保育従事者が必要となる取り組みが始まろうとしています。

外部環境の問題は数多くありますが、経営者の皆さまには「そんな中ウチの法人はどうするか」を考えていただく必要があります。
自法人の中で完結させられる取り組みとして、極力採用をしなくて済む体制づくり、つまり“働き方改革”が挙げられます。
おそらく多くの法人で、現在来年度の進退を確認する「意向調査」を行う時期なのではないでしょうか?
想定外の退職が出てしまった、退職を検討している職員が増えている場合、現場からのサインとして受け止め、“働き方改革”を改めて考えてみるのはいかがでしょう。

【“働き方改革”の実践:よくある失敗】

“働き方改革”は「現場の職員ため」ではありますが、場合によっては現場からの不満をより大きくしてしまうこともあります。
具体的には、下記のような例です。
① NG例:とにかくデジタル化を推進!全ての書類をPCで作成するように変更!
(ア) そもそも必要な書類がなにかの整理がされていないため、PCでのフォーマット作成が難航
(イ) パソコン・タブレットの台数が不足しているため順番待ちが発生
(ウ) 得意不得意があるため、得意な職員に業務が集中(たいてい若手に押し付けられる)

② NG例)残業は禁止!一切認めません!
(ア) 仕事の引継ぎがうまくいかない
(イ) 保護者対応がおざなりに
(ウ) 残業できないなら・・・と持ち帰り業務が多発
このように現場における“課題の把握”ができていなかったり、“やらされ感”が出てしまったりすると「気まぐれで現場が荒らされた」という感覚になり成果はでません。
最も重要なことは「全園共通の正解(これをやれば解決)」は無く、園毎に課題の把握し、適切な改善施策を適切な進め方で取り組んでいく必要があるということです。

【“働き方改革”の実践:進め方】

上述した通り、課題の把握が最重要となりますので、
“働き方改革”を進める上ではまず「全職員向けに業務の実態を把握できるアンケート」を実施しましょう。
また、「意向調査」に際しては退職理由を具体的に確認しましょう。
(何が原因か・法人として対処することができるものか・例えば「残業」が問題なら具体的になぜ残業が発生する体制になっているのか 等)

その後、課題に応じた施策を検討し、施策を現場が一丸になって取り組めるよう“プロジェクトチームの発足”と“働き方改革実地の周知”を行いましょう。
<プロジェクトチームの選定のポイント>
① プロジェクトリーダー
(ア) “働き方改革”への意欲がある
(イ) スケジュール管理ができる
(ウ) 現場感覚がある
(エ) 現場から信頼を置かれている

② プロジェクトメンバー
(ア) ベテランメンバー1名以上・若手メンバー1名以上で構成
※年齢によって偏った改善にならないように
(イ) 現場から信頼を置かれている

<働き方改革実施の周知のポイント>
① 全職員へ法人(園)として取り組むことを伝える
② プロジェクトチームから目標や具体的な施策を発表し、全職員に協力を仰ぐ

【“働き方改革”の実践:課題に対する有効な施策】

ここまで本コラムでは、“働き方改革”の進め方についてお伝えしてきました。
では具体的に把握した課題に対して何をすべきかですが、上述したように「全園共通の正解(これをやれば解決)」は無いため、経営者の皆さまにはたくさんの“施策の引き出し”を作っておいていただき、自園の課題にあった“働き方改革”を行っていただきたいと思います。
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