【企業主導型保育事業】令和5年度監査指摘事項速報

2023年9月12日配信

テーマ：: 企業主導型保育

【企業主導型保育事業】令和5年度監査指摘事項速報

いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所子育て支援部の菊地です。

徐々に今年度の監査を受けたという法人様が増えてきており、
弊社もいくつかの監査に同席させていただきましたので、
今年度特に確認をされている内容についてお伝えさせていただきます。
※まだ文書指摘としては届いていない内容も含まれますので、あくまで監査員に確認をされた部分であるとご留意ください。

【立入調査の指摘事項】

・自社枠、共同利用枠、地域枠の記載を、「重要事項説明書」「運営規定」の“両方”に記載がしてあるか
・個人情報の取得に当たっては、利用目的(助成金関係手続きの利用も含む)を明示して保護者から書面による同意を得ているか
・開所時間は標榜通りの時間で開所しているか（特に13時間開所）
・就業規則に公益通報者保護に関する規定を追記してあるか
・施設及びサービスの内容の掲示については、“利用しようとする者が見やすい場所に掲示”しているか、また下記の項目について記載があるか
（ア）保育する乳幼児に関して保険契約している保険の保険事故及び保険金額
（イ）緊急時における保護者との連絡方法
（ウ）避難場所（地図付き）
（エ）避難方法(何歳までは抱っこする、手をつなぐなど具体的に)
（オ）過去に事業停止処分を受けていない旨
・「安全計画」を作成しているか
・不適切保育防止のための点検を定期的に行っているか

上記のようなものが挙げられます。
特に“「安全計画」の作成”や、“不適切保育防止のための点検”は昨年度に大きく報道されたものを受けて、新設された項目になりますので特に確認をされています。
改めてご確認のほどよろしくお願いいたします。

指摘が入ってしまうと、これらを指定された期間内に改善報告する必要があるなど、現場の負担も大きくなりますので、事前準備の徹底をお願いいたします。

【財務監査の指摘事項】

・職員・園児から給食費を別途徴収している場合、調整金で給食材料費等をマイナス計上しているか
・預金通帳と銀行印は別々の者が保管・管理しているか
・経理規定には会計責任者と出納責任者は別々の者を定めているか
・現金実査においては、事故防止の観点から現金出納帳に日々記帳するとともに現金実査表(金種表)を作成し、現金残高と照合しているか
・複数事業所に従事する職員については、事業所毎に勤務実績を把握し、保育施設への適正な人件費の計上を行っているか
・業務委託契約は「契約に関する規程」に則って行われているか
※相見積もり等が無ければ、当時の稟議書や会議録などの提出が求められるケースがあります。

上記のようなものが挙げられます。
特に契約に関する内容は、“規程に定めた手順に則っているか”がポイントになります。当時の資料が残っていないこともあるかと思いますが、可能な限りの資料をご準備いただけますと幸いです。

【労務監査の指摘事項】

・コロナに伴って特別に支給した手当や、処遇改善として支給している手当の名称が、給与規定上に定められているか・定められた手当名であるか
・どのように職員に処遇改善等加算について周知をしているか
・制度の全体周知だけでなく、実際に申し出があった方へ個別に周知や意向の確認をしているか
◆職員ヒアリング例
（ア）残業代はきちんと支払われているか
（イ）労働者過半数代表者がだれか、選出方法はどのようなものであったか
（ウ）休憩中に午睡チェックや書類作成などの業務をしていないか
（エ）園のキャリアパス・役職ごとの役割を知っているか
（オ）育児介護休暇は取れているか、それは希望通りか

上記のようなものが挙げられます。
労務監査で特にポイントになるのは職員へのヒアリングがある点です。
他監査では、ある種、監査対応するメンバーが対応できればよかった部分もありましたが、労務監査では、一般の職員への周知が必要となりますので、改めての確認をお願いいたします。