保育士採用に困らない法人づくりのポイント
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保育士採用に困らない法人づくりのポイント
いつもお読みいただきありがとうございます。
株式会社船井総合研究所の永田屋でございます。
令和5年度も3分の1が終わり、少しずつ来年度を見据えた準備を始められているという方もいらっしゃることかと思います。特に人材採用などの検討期間は長期化してきている傾向にあり、着実に成果を出すためには通年で早め早めの動き出しが求められるようになってきています。
本日は来年度まで時間がある今だからこそ検討すべき保育士採用の取り組みと、法人側が「選べる」人材採用の重要性についてお伝えできればと思います。
「選べる」人材採用が求められる背景
全国で少子化が進んでいることは皆さまご承知かとは思いますが、その影響は保育業界にも大きなインパクトを与え始めています。実際に定員割れが都市部・地方関係なく起こり始めており、皆様の園の周辺でも申込者や見学者、そして入園者が減少し、定員に空きが慢性的に発生している園が現れ始めているのではないでしょうか。そのような環境の中で定員を充足させ、園を存続させるためには、これまで以上に提供する保育の「質」を向上させ、地域の保護者に他ではなくうちを選んでもらう取り組みが重要になってきています。そしてその保育の「質」の根幹を担うのが現場で働く保育士であり、その安定的な採用や定着・育成は、今後よりいっそう大切な要素となってきます。
しかし、全国の保育士の有効求人倍率は、コロナを経て少し改善したものの、全業種平均の2倍以上と、依然として高い状況が続いています。上述の通り今後は保育士の「質」が園存続の重要な要素となるため、職員を安定的に確保し、「選べる」人材採用を実現できる法人と、必要数を満たすことに必死で「選べない」人材採用を行っている法人とでは、園運営全体に今後よりその如実に表れると考えられます。
中長期的に「選べる」人材採用を目指すために
「選べる」人材採用を目指していくためには、様々な取り組みがあげられますが、大きく抑えるべきは、①大前提として魅力的な職場を実現し、②それを求職者に正しく伝え、③関心のある求職者を確実に取り切る、というステップが求められます。
①魅力的な職場環境づくり
いかに好条件であったり、広告費をたくさんかけて目に留まるようにしても、そもそもの職場環境に魅力がなければ、その取り組みの効果は大きく下がってしまいます。求職者の希望や意向を正しく把握し、「働きたい」と思ってもらえる職場を目指すこと、それが大前提であり最も重要なステップになります。
具体的には、保育業界では慢性的に発生している残業や持ち帰りを以下に少なくできるか、人間関係のストレスなく生き生きと働ける職場であるか、個人の能力を伸ばして適切なキャリアアップが目指せるかなどがあります。一朝一夕で実現するものではないですが、昨今の業界課題を踏まえ、職員にとって魅力的な職場環境作りに取り組む法人も増えてきているため、課題があると感じている施設においては、施設の重要施策として取り組んでいく必要があります。
②求職者への正しい訴求
求人原稿の限られた情報だけでは、職場環境を伝えきるのは難しくなっています。せっかく魅力ある職場環境を作ったとしても、それが外部に伝わらなければ採用においては効果が生まれません。各種媒体やツール、また見学や面接などのオフラインでのやりとりの中で、いかにいきいきと働きやすい職場であるかを伝えるかという点も非常に重要になります。
求職者が情報を得る手段は、時代や年代によって多岐にわたります。昨今ではInstagramを活用し採用に関する情報発信を行う施設も増えてきている一方で、まだまだハローワークからの問い合わせが根強い地域もございます。情報を届けたい層を正しく理解し、適切な方法で情報の発信を行っていくことが求められます。
③確実に採用につなげるアプローチ
最後のポイントは、少しでも関心をもってくれた求職者を確実に採用につなげるアプローチです。皆様の法人では、問い合わせがあったときに、いつ、どのような方法で、どのような内容の連絡を求職者に取り、面接日はいつ決定し、いつ面接し、どのような内定後のフォローを行っていますでしょうか。また複数の応募者が重なった場合、全員に適切にアプローチを行い切れていますでしょうか。就職活動を行うにあたっては、一般的に複数の法人を並行して実施しているケースが多く、当然連絡がなかなかこない、接触頻度が少ないほど関心が薄れていき、どうしても他に目が行きやすくなってしまいます。全員を確実に追い切れる体制を作り、確実に採用までつなげていくことが求められます。
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本日は保育士の「選べる」人材採用についてご説明しました。
人材採用については、保育業界の長年の問題でもあり、採用に向けた様々な取り組みをこれまでも取り組んでこられた方が多いかと存じます。しかし今年はうまくいっても来年はまたどうなるかわからない、という不安定な状況の法人も多いのではないかと思います。毎年安定的に人材を確保し、「選べる」人材採用を実現するために、中長期的な法人づくりを今一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。
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