制度事業は情報取集だけでは不足する~企業主導型保育事業の制度理解~

2023年6月12日配信

テーマ:
企業主導型保育

制度事業は情報取集だけでは不足する~企業主導型保育事業の制度理解~

皆様
いつも保育園経営.com のコラムをご愛読いただきましてありがとうございます。
船井総合研究所の菅野 瑛大(かんの あきひろ)です。

どこから情報を仕入れるか

企業主導型保育事業では令和4年度の運営費事業完了報告の締め切りが延長となり、皆様申請のピークを迎えられている頃かと存じます。
今回も児童育成協会から直接通達がありましたが、すぐにかつ正確にキャッチできていましたでしょうか?

児童育成協会も体制がかわり、各種通達、電話問合せ、メールでの文書の問い合わせいずれも、徐々に早く確実な情報提供ができるようになってきています。
一方で未だに多くの事業者様からは、
「認可では○○だから・・・」「市の人が××といっていたから・・・」「知り合いのやっているところに聞いたら~~~だから・・・」
といった声が聞こえてきます。

もちろんアドバイス等については参考になることもたくさんあろうかと思います。
しかし、ここで重要なのはこれらが「一次情報なのかor二次以降の情報なのか」です。
特に後者になると危険です。

一次情報を自ら確認する

なぜ二次情報以下が危険になる場合があるのか。
これは特に口頭で聞く場合にありがちなものですが、
「エビデンス(論拠)が不明」になりやすくなる為です。

企業主導型保育事業は制度事業である為、基本的にはルール(要綱・要領各種通達等)が絶対です。
しかし、二次情報以下なると、各自がやっていることや知っていることを付加した、
「独自の解釈」になり場合によってはルールから逸脱したものになる可能性があります。
ルール内のものであっても、必要以上に厳しい解釈をしすぎて、事業経営上不利になることもあります。

皆様にして頂きたいことは、多少面倒であろうともまずは「要綱・要領・FAQ」を確認することから始めることです。
ただしわかりづらいことも多いですので、その際には要点を絞って知りたい部分を児童育成協会へ電話や文書で確認をしてください。

これをせずに、仮に自法人によって不利な状況になったとしても言い訳はできません。

知った後に必要になること

とは言え、ルールは遵守して運営をされている皆様は、要綱等については理解したうえで、「実際にどのようにしたらよいか」を知りたいのではないでしょうか。
ところが、それを児童育成協会に確認をしても「記載の通り」「貴法人の規定に従って行ってください」
若しくは「その上で、監査や完了報告時等に審査をします」とコメントをされるだけではないでしょうか?
実はこれは、決して皆様を困らせようとしているわけではありません。

実際の運用に入る場合には、各法人・園の事情があります。
全国4,000施設以上をコントロールする際に、そのすべてに細かく対応することは現実的ではありません。
また、それぞれに反映させるための解釈を制度運用側が伝えてしまうことで、
事業者間の差が発生してしまい公平性を失うこともあります。
そういった意味では、上述のような回答が精一杯になってしますのです。

では、実際の運用に落し込みをしたい差にはどこにアクセスすべきなのか。
答えは、冒頭にも出ていた「この事業を知っている”誰”か」なのです。

聞き方と理解の仕方

では、どのように情報源を絞っていくのが良いか。絞り込み方は簡単です。
「事実と解釈を分けて」理解をしているところからの情報を吸い上げましょう。

例えば、船井総合研究所で実施している企業主導型保育事業研究会では、
かならず要綱・要領や実際に合ったケースを整理したうえで、
どのように対応すべきかという解釈と行動計画や対応策をお示ししています。
その上で、研究会会員の皆様は、その解釈を自園に落し込む際に更に必要な情報を整理しながら、
ルールの中で運用できるように調整していきます。
場合によっては法人のルールに適さない場合、別な方法を検討したり、
法人のルールそのものを変更したりといったことまでしています。

聞いたことを即行動の即時処理グセはとても素晴らしいですが、
制度事業においては知ったことも慎重に取り扱わなければ、
思ってもいないところで大きな違反を知らないうちにしてしまう可能性もあるのです。

怖がる必要もはない

こうした話を聞くとリスクばかりが先行してしまいますが、不安になることはありません。
ようは「聞いたことも事実をしっかり見極めて行動する」ことができれば問題はないということです。
事実と解釈の見極め、その上で自分達へどのようにフィットさせるか。
この思考回路ができれば、多くのチャレンジがしやすくなります。

船井総合研究所では事実と解釈そして対応方法を総合的にお伝えする場を、
5年以上にわたり企業主導型保育事業研究会という形で設けております。
さらに、企業主導型保育事業に特化した全国組織が様々あります。
もちろん知り合いベースの「個」からの情報も大切ですが、そうした「個」が集まり検討している、
「組織の情報」にも目を向けて情報収集→落し込みをしてみるのもよいかもしません。

7月13日(木)10:30~17:00
企業主導型保育事業研究会のご案内

 

今回は、スペシャルゲストに認定NPO法人こまちぷらす 森祐美子様にご登壇いただきます。

こまちぷらす様は、横浜市戸塚区に拠点を置き、
「子育てがまちの力で豊かになる社会へ」というビジョンを掲げ
さまざまな取り組みを行っている法人様です。

例えば、安心して子育てができるよう、地域の居場所としての「カフェ運営」、
子育てを応援できる地域づくりの一環で、地域と企業から出産祝いを送る「ウェルカムベビープロジェクト」、
お子さんの発達に不安を持つ保護者、支援者、当事者、発達障害について知りたい方が
おしゃべりや情報交換をする「でこぼこ会」、
子育て支援施設での、情報コーナーの運営など。

運営にあたっては、従業員だけでなく地域のボランティアも上手く巻き込んでいます。
ボランティアの方は、関わり方も参加頻度も人によってバラバラですが、
どなたが参加しても下限品質を保てるよう組織としての仕組化も進めています。

多くの子育て世帯と接点を持ち、子育てに係るプラットフォームをづくりを行っている
こまちぷらす様より、皆様の今後のイベント開催にあたってのヒント、
地域との連携強化にお役立ていただける話を講話いただく予定です。

▽開催概要▽
日時:7月13日(木)10:30~17:00
場所:船井総合研究所 東京本社
ご参加費:無料
※ご招待でのご参加は、1法人につき1回2名様までとさせていただきます
※途中参加、途中退席はご遠慮いただいております

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