保育園における、今こそ求められる“働き方改革”とは!

2023年3月24日配信

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保育園における、今こそ求められる“働き方改革”とは!

いつも コラムをお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所 子育て支援部の菊地です。
昨年の年末にかけて事故や不適切保育に関する話題が多く報道されました。皆さまの園でも自治体からの調査を含めて様々な見直しを行っていただいたことかと思います。
個々の事例についての細かいお話はたくさん報道を見ていただいてもいると思いますので今回はあえて触れませんが、こういった事態が起こってしまう背景・これによる影響は整理しておく必要があります。
本コラムでは、これらの背景・影響によって求められる”働き方改革”の必要性についてお伝えいたします。
 

【1】発生の背景

事故や不適切保育以前に、保育業界の抱える課題から考えていきましょう。
厚生労働省によって発表されている「保育士の現状と主な取組」によると、養成校の学生が保育職への就職を決めた理由は「保育者になることが夢だった」が8割弱を占めていることがわかります。
そんな夢を持って就職する方が多い保育職ですが、保育士の転職理由としては「事務作業時間が多い」「残業時間が多い」「長時間労働」といった労働環境が多く挙がります。
これは「思い描いていた理想の保育士像」とはかけ離れた実態、働き続けたいと思えない職場となっていることを意味しています。
もちろん離職者 個々人の問題もあるとは思いますが、経営者の皆さまも現場の負担の大きさは重々ご承知いただいているかと思います。
こういった労働環境は、保育士1人ひとりへの重大な負荷となり、人材不足が常態化、人材不足による育成環境の不整備、「おかしいことをおかしい」と指摘できない・そもそも気づけない環境になっていき、しわ寄せが日々の“保育の質の低下”として現れてしまうことは想像に難くないかと思います。
 

【2】保育園に向けられる目線の変化

それでは今回の件でどのような影響が起こるのでしょうか?
「保護者からの目線」、「保育士からの目線」の2つの観点から考えていきましょう。
 
◆保育園を見る保護者の目の変化
保育業界は、保育の需要を満たせずとにかく受け皿を増やすことが最優先とされていた以前に比べ、待機児童等も落ち着いてきており、“保育の質”に目が向けられるようになったと言えます。つまり保護者は「預かってくれたらそれだけでありがたい」という考えから、「より良い園を選ぶ」という時代へ移り変わっており、今回の件をきっかけに「今の園はどうなんだろう」、「我が子は大丈夫なのか」という目線が強くなったと言えるでしょう。
 
◆保育士であること・になることへの不安感
では、今回の報道を受け、現職の保育士や、今
保育士を志している方はどのように受け止めているのでしょうか。「今までどおり、今まで以上にしっかりやればいい」そう捉えていただける方もいらっしゃるかと思いますが、一方で、どの保育園でも起こりうる不適切保育によって、社会的に責められる可能性に恐怖してしまった方もいらっしゃると思います。今回の件でも内部通報があったようですが、そういった恐怖や不安感、「この保育はいいのか?」と思ったことを相談できる場がなかったことの現れだったのではないでしょうか?
この影響によって、そもそも保育士になりたいと思えない・続けたいと思えない方が増えていることが予測され、保育士確保には今まで以上に苦戦、人材が定着しないことによる保育の質の低下といった、前段でお伝えした、現状の更なる悪化を引き起こすと思われます。
そしてまた、経営者が全く把握できないまま事故や不適切保育が発生してしまうといった「負のスパイラル」に陥ります。
このように今回の大々的な報道によって、保護者・職員・地域からの園の見られ方は大きく変化し、それに伴って経営者に求められるリスク管理のレベルも大きく跳ね上がったといえるでしょう。
だからこそ、この「負のスパイラル」から抜け出すための一歩目として、
改めて、職員が働き続けたいと思える環境を用意することが十分にできているかという視点を持つことが重要となります。
 
ここまでお伝えしたように、今、“働き方改革”に求められる意味は以前と大きく変わってきていると言えます。“以前までの働き方改革”は「より良い職場環境を作ることで定着率を上げる」ための取り組みといった、“プラスα”の取り組みであり、一部の先進的な法人が実施している印象でしたが、時代の変化に伴い、全ての保育事業経営者が“リスク管理の一環”として実施することが求められるものと捉えていただく必要があります。
そして全保育事業者が取り組むからこそ、各法人におけるその取り組み内容や結果が保護者・職員・地域から評価されるようになります。
今回の件を受けて、自治体から求められる最低限のマニュアルを整備するだけで終わらせるのではなく、根本的な働き方の課題から見直すことで、時間に追われる保育から脱却し、保育の質追及まで踏み込んでいただけますと幸いです。
 

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今回のコラムでは、今こそ求められる“働き方改革”についてお伝えいたしました。
多くの保育事業者様は今回の各種報道を受け、書類等の見直しは行っていただいたかと思います。
しかし、根本的な働き方の課題解決までは、どのような手順で取り組むべきかわからないというご相談をいただくこともよくあります。
そこで今回は具体的な実践方法を、他園での実践事例を基にお伝えする「働き方改革セミナー2023」を開催させていただきます。
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◆職員の採用・定着に課題をお持ちで、労働環境をもっと改善したい・・・
◆業務効率化として紙媒体を減らしていきたいが、何から手を付けていいかわからない・・・
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上記のようなお悩みをお持ちの保育事業者様はぜひお申込みください!

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