現場の先生が経営者視点を持った管理職になるために必要なこととは?
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現場の先生が経営者視点を持った管理職になるために必要なこととは?
いつもお読みいただきありがとうございます。
株式会社船井総合研究所の吉田健人です。
本日は現場で保育士として働いている職員を主任や施設長といった管理職に任命していくために必要な要素について、お伝えいたします。
「良いプレイヤーが良いマネージャーとは限らない」と言われるように現場で活躍し、保護者満足度の高い先生が、管理職になった時に職員のマネジメントをうまく実施ができるとは限りません。多くの先生は現場での経験を中心にマネジメントを行うため、管理職として必要な知識のインプットができていないことが多くあります。
そこで、本日のコラムでは管理職としての職員マネジメントとして知っておくべきことをお伝えいたします。
また、前回のコラム「園の内部から次世代の管理職を育成する方法」についてもご覧ください。
https://hoiku-kodomoen.funaisoken.co.jp/category-kindergarten-post-8839-2/
経営者視点を持った管理職に必要な採用・定着・育成の知識とは?
新しく現場から管理職になった職員からは「職員の育成方法がわからない」とよく聞きます。
自分自身は入職してから先輩の背中を見て、OJTで業務を覚えてきたので同じように接しているが、最近現場の職員が育っていないように感じる、採用しても辞めて行ってしまう、という悩みの根幹には、職員育成の方法だけでなく、採用・定着・育成をセットで考える必要があります。
・職員採用について
管理職となる先生の中にはまだ職員採用の段階からかかわっていない方も多いかもしれませんが、園のカリキュラムや方針、働き方等をしっかりと理解した上で園に入職してもらえれば、双方のミスマッチによる早期退職を防ぐことが出来ます。
また、実際に管理職となる先生が採用段階からかかわることで、希望の働き方や、仕事に求めていること等が把握でき、入職後のフォローもしやすくなります。
これまで、採用には関わっていないという管理職の先生も是非自園の新規採用には採用段階から積極的に関わりを持っていただければと思います。
ただ、近年は保育士の採用も競争が激しく、職員を選んでいる余裕がない、基本的には面接に来て大きな問題がなければ採用する、という法人も多いため、管理職の先生も含め、単に採用活動にかかわるだけではなく、採用施策についても関わり、母集団形成から園見学、面接、入職に至るまでの全体像を把握し、費用対効果の高い採用媒体へ予算を割り振るといったことも必要になってきます。
・職員の定着について
採用に管理職がかかわり、園の方針を理解した職員に入職いただけるようになったら次は育成の前に職員定着についても考えてみましょう。
保育士の離職理由の上位に常に人間関係や業務量が来ているように、育成の前に働き続けられる環境でなければ、せっかく採用した職員もまた退職してしまいます。
園内で業務量過多になっていないか、特定の役職や先生に業務が集中していないか、効率化や削減ができる業務がないかを園内で考えてみましょう。
その際には園の業務量調査や、現場の先生が保育以外のノンアクティブ業務のどの仕事に時間をかけているかを分析することで、改善の方向性が見えてきます。
また、職員の人間関係については、現場の職員同士が良い意味で意見を言い合える風通しの良い職場環境づくりができているか、意欲を持って働き続けられる心理的安全性の高い職場環境になっているかを考えていく必要があります。
職員向けの職場環境アンケートを実施する、職員同士の交流のためのメンター制度や、サンクスカード、1on1ミーティングを実施してみる、職員同士で頑張っていることを評価し合う、アワードを開催する等で、業務量だけでなく、人間関係面についても働きやすい園づくりを進めていきましょう。
・職員育成について
採用・定着と園で施策を実施し、いよいよ職員の育成を考えることが出来ます。
管理職となる先生が現場の保育士や担任として活躍していた時と、現在の現場の先生の働き方や仕事に対する考え方は大きく異なる可能性があります。
これまでと同じようにOJT中心で習うより慣れよ で仕事を任せていくよりも、職員の業務をフォローしつつ、徐々に任せる範囲を増やしていく、等工夫が必要になってきます。
現場職員が主体性をもって成長できるかどうかは、管理職の先生による、「機会の提供」と、「期待していることを伝える」2点が重要です。
現場の先生にも新しいことに挑戦する機会を提供し、実施内容についてはきちんとフォローを行い、内容のフィードバックを実施することで少しずつ担当できる領域が増えてきます。現場の先輩保育士やすぐ上のリーダークラスの先生は、普段の自分自身の保育業務もある中で、職員育成までは手が回らないことが多いため、職員育成については管理職の業務として実施していく必要があります。
以上となります。
現場から管理職となる先生が持っておくべき考え方の一つとして、園での職員育成について、是非実践をいただけますと幸いです。
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いかがでしたでしょうか?
本日は現場の先生が経営者視点を持った管理職になるために必要なこととは?と題して、
園の職員マネジメントについてお伝えさせていただきました。
これから経営者の右腕となる管理職を育成していこうとされている方や、園長先生等既存の管理職の先生にもっと経営的な視点を持ってほしいと考えている方などは是非ご参考頂ければと存じます。
また、弊社では2023年4月から9月の6か月をかけて、
これからの法人運営を考えていける経営者視点を持った管理職を育成する全6回の研修を実施いたします。
次世代の管理職育成を検討している法人様は是非、職員の参加をご検討いただけますと幸いです。
全6回の研修プログラムを通して、本日お伝えした、管理職に求められるスタンスやスキルを身につけることが出来ます。
興味のあるプログラムにスポットでご参加いただくことも可能ですので、
本日の内容を踏まえまして、少しでもご関心のある方はぜひご参加いただけますと幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。