保育の「質」から考える園児募集

2023年2月16日配信

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保育の「質」から考える園児募集

いつもお読みいただきありがとうございます。
株式会社船井総合研究所の永田屋でございます。
 
令和4年度も終わりが近づき、来年度に向けた準備を進めていらっしゃる法人様も多いかと存じます。今年度の保育業界は、子どもが巻き込まれる痛ましい事故や、不適切保育など暗い話題も多くありました。様々な事件や事故をきっかけに、自分たちの保育の内容やその質について改めて考えた法人様も多いのではないでしょうか。保育利用者数がピークを迎え、保護者が園を選べる環境になる中で、こういった保育の「質」にはより敏感に評価され、定員充足や園の安定的な運営にも大きな影響を持つようになりつつあります。今回のメルマガでは、来年度以降の安定的な事業運営を考えるにあたり、改めて押さえておきたい「質」についてお伝えいたします。
 

質を考える2つの視点

 
一口に「保育の質」と言っても、その定義は様々です。絶対的な一つの正解はありませんが、子どもの育ちにとってより良いサービスを提供するために、法人の理念や考えを体現した法人独自に追い求める「質」と、子どもにとって安心・安全な環境を提供・維持する下限品質としての「質」は切り分けて考えていく必要があります。どちらも重要なものになりますが、考えるにあたっての視点は少し異なります。
 
子どもたちにどのような思いで接し、どのような姿になってほしいのか、そのために法人として何に取り組むのか、といった法人が固有に追い求める保育内容の「質」は、大元の考え方として保育所保育指針などが存在しているものの、その解釈や目指す姿は法人に委ねられています。皆様の法人においても、それぞれ固有の理念や目標、方針などを取りまとめていらっしゃるかと思いますが、それらはどこまで職員にしっかり浸透し、現場で体現されているでしょうか。文字としては存在しているが、その浸透や体現にまで手が回っていないという園も多いのではないかと存じます。
 
冒頭お伝えした通り、保護者が園を選ぶ環境になる中で、ただ預かり機能を持つだけの施設と、子どもの育ちに関する思いや考えに基づき、現場で実践している施設とでは、明確な差が開きつつあります。ここにおいて重要になるのは、思いや考えが経営者の思いを反映し、そして周囲が共感できるものになっているかという点です。子どもを取り巻く環境の中で、どこに比重を置いて大切にし、どのようなメッセージを届けたいのかは、法人ごとに定めていく必要がありますが、改めて自分たちの園にある理念や方針は、職員や保護者が心から共感できるものになっているか、そして現場で体現されているかを見直してみることが重要になります。
 
いくら伝統ある崇高な考え方であったとしても、職員が理解して実践できなければ意味がありませんし、保護者の共感を生むという視点で考えると、実践している内容やその大元となる考え方は積極的に外部に発信していくことが求められます。HPやパンフレットへのとりまとめ、日常の取り組みのSNS発信、見学や説明会で直接伝えるなど、実践している質の高さを外部に伝えて初めて、それは評価されることになります。
 

昨今注目を集めている「守り」の面での保育の質

 
ここまでの内容が、より良い保育を追求する「攻め」の保育の質だとすれば、昨今業界の注目を集めているのは、安心・安全な環境を維持する「守り」の質です。前出の「質」のように法人ごとに独自のものではなく、幼い命を預かる施設として「できて当たり前」かつ、そこに向けられる目もだんだんと厳しくなっています。記憶に新しいところでは、2021年の福岡県中間市、2022年の静岡県牧之原市のバスの事故や、2022年に静岡県裾野市、沼津市、宮城県仙台市などで続々と明らかになった不適切な保育、その他にもアレルギー対応のミスや誤飲・誤食など、非常に多くの事件・事故が報告され、多くの注目を集めています。もちろん、単純に最近の事業者の質が低下したというより、新規事業者の増加や意識の高まりにより明るみに出るものが増えたという部分もあるかとは考えられますが、より保護者や世間の関心を集めやすく、事業運営に大きな影響をもたらすようになっているのもまた事実です。
 
このような事件や事故を100%起きないようにするというのは現実的に不可能ですが、運営における下限品質を向上させ、発生確率を下げることは可能です。昨今の流れを受け、施設で安全計画の策定が義務付けられたり、自治体独自で監査の内容を見直したりと、施設側にとっては負担が増えているという側面もあるかと思います。しかしこうした事件や事故が起こるのは、様々なチェックの目をすり抜けてしまったときに起こるものであり、そこには必ず「あの時の小さな確認を怠っていなければ」という後悔が付きまとうものです。監査で防げるものもありますが、当然鑑査員のいない日常の方が圧倒的に多く、法人や施設がいかに主体的かつ日常的に質の向上に取り組めるかが非常に重要になっています。
 
こうした安心・安全な環境づくりにおいては、日々現場の職員の皆さまが当たり前レベルで実施していることもあるかと存じます。そのような取り組みの意図や目的を改めて見つめなおし、内容や頻度、方法などは適正かを、監査が来るからという受動的な姿勢ではなく、能動的に取り組んでいくことで、事業運営の安定性を高めていく取り組みが求められます。そしてそういった取り組みについては、このような保護者から敏感な目を向けられる時代だからこそ、保護者から選ばれる大きなポイントになりつつあります。
 
保育に求められるものが少しずつ変わっていく中で、より保護者や地域にとって魅力的な、選ばれる園となっていくために、「攻め」「守り」両軸から自法人の質を改めて見つめなおすことが求められています。
 

「定員充足率100%を目指す!園児募集セミナー」のご案内

 

【保育事業者向け】充足率100%を目指す!園児募集セミナー

 
日は保育の質から考える安定的な選ばれる園づくりについてご説明しました。
 
弊社では4月20日、4月25日、5月10日、5月12日に、九州の過疎地域において、現場の保育の質向上ならびにその発信に取り組み、高い園児充足率を維持している社会福祉法人小浜会の亀井様をゲストとしてお迎えし、「【保育事業者向け】充足率100%を目指す!園児募集セミナー」を開催予定です。今日の内容を踏まえまして、少しでもご関心のある方はぜひご参加いただけますと幸いです。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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