保育士養成校が事業者に求める視点

2022年12月2日配信

テーマ:
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保育士養成校が事業者に求める視点

いつもお読みいただきありがとうございます。
株式会社船井総合研究所の永田屋でございます。
 
本日は新卒保育士の採用に関する内容をお伝えいたします。
 
保育業界ではご承知の通り保育士の不足が続いており、人材採用に課題を抱えている法人様からのご相談が弊社にも数多く寄せられています。採用に関する考え方やポイントはこれまでのメルマガ等でもお伝えしてきておりますが、人材採用が好調な法人の特徴の一つとして、新卒を積極的に受け入れ、新卒が定着・成長して活躍しているという点が挙げられます。
 
新卒は当然経験者と比較すると経験やスキルは劣ります。しかし法人の考えや目指す姿をゼロから吸収し、法人の中長期的な未来を創る土台となる存在です。そのような若い力が安心して働き、いきいきと活躍・成長する法人は、子どもや保護者はもちろん、求職者にとっても魅力的な環境になります。
 
一方で、新卒をこれまでそれほど受け入れていない、中途採用に頼りきりで新卒採用をどう強化して良いのかわからないという法人様が多くいらっしゃるのも事実かと存じます。またコロナ禍以降、養成校とのかかわりが薄くなってしまい、多少感染が落ち着きを見せているものの、改めてどのようにアプローチして良いかわからない、という法人もいらっしゃるかと思います。
 
新卒保育士の採用においては、新卒を輩出する養成校の理解、そして連携の強化が必須となります。本日は保育士養成校の視点から、新卒採用をしたい事業者に何が求められているのか、お伝え出来ればと思います。
 

新卒保育士採用の重要性

 
冒頭お伝えした通り、新卒が安定的に入職し、定着・成長する環境は、法人に多くのメリットをもたらします。当然、法人の保育の質の担保・向上においては、多様な経験を積んだ中途職員の力が必要になりますし、新卒ばかりの組織では、運営が安定しなくなってしまいます。しかし一方で、中途の経験者ばかりになってしまうと、各々の多様な価値観や考え方が混在し、法人としてどこを目指すのかが見えにくくなってしまったり、経験者で回していくことが当然となり、次世代を担う存在の育成がおろそかになってしまうリスクがあります。求められるのはバランスであり、中途採用ばかり・新卒採用ばかりに偏ってしまうことがリスクとなり得るということです。
 
新卒は経験者にはない属性を数多く持っています。業界や特定の法人の考え・やり方に染まっていないので、法人の考え方をゼロから学んで実践してもらうことができます。また業界がどんどん変化する中で、これまでにない新しい考えや取り組みへの抵抗が少なく、新しいことに挑戦していく風土を作りやすくなるという点もあります。そして新卒が定着して成長していく環境は、養成校や学生にとって非常に魅力的であり、次年度以降の採用が大幅に進めやすくなります。
 
法人の中長期的な運営品質の向上においても、直近の採用力向上においても、新卒の採用は多くのメリットをもたらします。
 

養成校が「送り出したい」事業者の特徴

 
一方で、新卒を採用していきたいが、反響があまりなく苦戦している、そもそも養成校との連携をどのように進めれば良いかわからないという法人様も多くいらっしゃるかと思います。冒頭お伝えした通り、新卒採用強化においては、新卒を採用する養成校を理解し、連携を強化していくことが求められます。
 
もちろん就職先を最終的に決定するのは学生自身です。しかしその決定プロセスにおいて、養成校の先生の意見やアドバイスの影響を多分に受けるケースが多くなっています。先生や職員に応援される事業者は、学生にも選ばれる確率が高くなります。
 
当然ながら、養成校の先生は自校の生徒を大切に育成されていますし、各々が学んだことを活かして活躍できる環境に飛び立ってほしいと考えている施設が大半かと考えられます。そのような養成校に対してどのようなアプローチを事業者は検討すべきか、養成校が「ここなら安心して学生を送り出せる」と思う事業者にはどんな特徴があるのかをお伝えいたします。
 
①何よりも職員を大切にしてくれる環境がある
学生を送り出す側として、その学生が新しい環境で大切にされ、その活躍を願うことは当然の思いです。職員を大切に尊重・指導し、成長をサポートしてくれる法人と、数合わせの人員としか見ていない法人とでは、どちらに送り出したいと考えるかは言うまでもないかと思います。職員を大切に扱うコンプライアンス体制や、職員の成長をサポートする支援体制の充実などは、大前提として見られますし、その結果としての職員の定着率や満足度などは、アピールできる状態にしておくことが求められます。
 
②採用したい人材像が明確
求める人物像と彼・彼女たちにどのように成長してほしいのかを明確に描いておくことも重要となります。「なんとなく良い人が欲しい」では、事業者が何を求めているのか不明瞭ですし、職員のことを真剣に考えていないという印象を与えかねません。改めて法人として求める人物像を整理し、養成校と共通認識を持つことができれば、よりニーズに合致した学生を推してくれる可能性が高まります。
 
③継続した接点に基づく信頼関係の構築
最後は養成校の先生との信頼関係になってきます。継続した情報交換などを通して接点を作り、受入実績を重ねていくことで、法人と養成校との関係性が強固なものになっていきます。養成校に「ここなら間違いない」と信頼してもらえることで、学生の背中を押してくれやすくなったり、学内のイベントや講義などに呼んでいただきさらなる認知拡大に協力いただけるケースもあります。数多くの事業者と接する中で一朝一夕に実現するものではありませんが、コツコツと信頼を積み重ねていくことで、養成校の先生は新卒採用の大きな力となってくれます。
 

保育士養成校で長年講師を務めるゲストをお招きしたセミナーを開催します!

 

新卒保育士採用事例大公開セミナー

 
本日は養成校視点から見た新卒採用についてご説明しました。
 
人材採用については、保育業界の長年の問題でもあり、採用に向けた様々な取り組みをこれまでも取り組んでこられた方が多いかと存じます。しかし今年はうまくいっても来年はまたどうなるかわからない、という不安定な状況の法人も多いのではないかと思います。新卒を中心に安定的な人材採用を実現するために、中長期的な採用施策を今一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。
 
弊社では2023年2月~3月に、本日のお話をお伺いさせていただいた学校法人三幸学園の大宮こども専門学校専任講師である橋本圭介様をゲストにお迎えし、養成校の視点から新卒採用の実態をお伝えいただくセミナーを開催予定でございます。橋本様は保育士国家試験対策を20年近く担当されており、教科書・書籍の執筆実績があるほか、科目指導、保育士の就職支援にも携わっていらっしゃいます。また社会福祉法人友愛会の理事長も兼任しており、保育施設の運営にも携わっていらっしゃいます。本日の内容を踏まえまして、少しでもご関心のある方はぜひご参加いただけますと幸いです。
 
最後までお読みいただきありがとうございました。

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