“職員満足度”だけでは足りない?!保育園における“エンゲージメント”とは

2022年10月31日配信

テーマ:
働き方改革 セミナー・研究会のご案内

“職員満足度”だけでは足りない?!保育園における“エンゲージメント”とは

皆様、こんにちは。
株式会社船井総合研究所の西村です。
 
職員の皆様への進退伺いや面談もそろそろ終わられた法人様も多いかと思います。
様々な法人様へご訪問させていただく中で、この時期は退職のお話や異動希望のお話等が出てくる時期でもあり、頭が痛い‥と悩まれているお話をよく伺います。
 
本日のコラムは、こういった経営者の方が頭を悩ませられている「退職」にもかかわる内容ですが、特に下記にチェックがついた方には是非一度お読みいただきたいと思います。
 
□ 離職率が年々高まっている あるいは 高止まりしている
□ 採用しても入職数年で職員が辞めてしまう
□ 退職する職員と面談しても、本当の理由をなかなか聞き出すことができない
□ 職員が法人・園のことをどう思っている(評価している)のか知りたいが、面談をしても意見が出てこず、よくわからない
□ 新規園の開園や新規事業の参入等が落ち着き、これからは園の組織改革を進めていきたいと思ってはいるが、何から手をつけていいかわからない
□ いろいろと職場環境改善に取り組んではいるが、いまいち効果があったのかわからない
 

職員満足度強化から、エンゲージメント強化の時代へ

 
これまでもこのコラム内で、「職員満足度」について触れてきました。
「職員満足度」が話題にあがる一番の要因は、職員の「離職」です。
上記にチェックがついた方の多くは、一度はご自身の園の「職員満足度」はどうなのだろうかと考えられたことがあるのではないかと思います。
離職理由の多くは(プライベートな要因を除けば)一般的には、給与の低さ、仕事量の多さ、勤務時間の長さ、人間関係に集約されると言われています。
つまり、報酬・仕事量・勤務時間・人間関係における職員満足度が低く、「不満」があるということです。
 
「不満の解消」はもちろん重要です。
SNSが発達し、口コミが重要視される今の世の中においては不満を抱えたまま退職する職員が増えれば増えるほど、法人・園のよくない評判が広まり、新規採用にまで悪影響が出てしまいます。
そうすると離職は止められず、採用活動は振るわない、という悪循環に陥ってしまいます。
そのために、離職につながる「不満」はしっかりと解消する必要があるのです。
 
しかし、満足度を高めれば離職は止まり、組織は安定するのか?というとそうではありません。
「職員満足度」とは、職員がどれだけ満足しているか、つまり園側が提供するものに職員が不満を持っていないか?という指標です。
そのため、基本的には「外発的動機付け」が大きな要素を占めています。
少しでも提供される環境や条件等に不満が生まれればすぐに満足度が下がり、離職につながります。
 
今まで熱心に頑張ってくれていると思っていた職員が突然辞めると言い出したり、急に園に対する不満を言い出したり‥ということのご経験がある経営者の方もいらっしゃるかと思います。
 
職員満足度“だけ”が重視されている組織は、短期的に見ればいいものの、場合にもよりますが損得関係でつながっている”バランスが崩れやすい関係性”とも言えます。
 
一方で、エンゲージメントとは「職員の一方的な満足」にとどまらず、「職員と法人・園が一体となりともに成長し合う関係」を指します。
その中には、「法人・園をよりよくしていくために”自発的に”関わりたい」という「内発的動機付け」が含まれています。
つまり、法人・園への愛着や思い入れがあるということです。
 
エンゲージメント向上により、仮に多少の不満が生まれたとしても根底に園への愛着や思い入れがあることで、即離職とはならず、むしろ自分たちで職場をよくしていこうという動きにつながってきます。
したがって、離職を防ぐことはもちろんのこと、組織の成長、法人の成長のきっかけにもなるのです。
 

“エンゲージメント”向上のための8要素とは?

 
船井総研ではエンゲージメント向上における要素を8つに分類しています。
 
①事業推進力(仕組化、役割の認識など)
②理念・ビジョンへの共感
③会社・仕事への誇り
④上司への信頼・社員間の関係性
⑤自身の将来像
⑥評価・報酬
⑦働く環境整備
⑧多様性(個性の尊重、風通しの良い職場等)
 
土台となる園の事業状況の評価から、園や同僚上司との信頼関係の評価、キャリアや評価・環境整備等の評価、多様な人財や働き方を受け入れる体制の評価等まで、多種多様な要素があります。
この中にはもちろん、いわゆる「職員満足度」と深い関係にあるものもあります。
そもそも不満を持っている法人・園に対して愛着を持つことは難しいため、職員満足度が担保されていることは前提として必要です。
 
保育園に関して言えば、もちろんすべてに当てはまりますが、
・保育理念に共感できているか
・信頼できる上司(園長・主任)がいるか
・チャレンジできる文化(失敗を受け入れる文化)があるか
・その正しく頑張りを評価してもらえているか
等が特に、エンゲージメントにおいて重要な要素を占めるのではないでしょうか。
こういった要素が優れている法人には、法人や園に愛着を持ち、園児や保護者、そして園のために自発的に活躍してくれる職員が集まります。
そういった職員が適切な環境でさらに成長し、法人・園に貢献してくれることで、結果的に組織全体が成長していくと言えるでしょう。
 
では、現在の自園のエンゲージメントがどんな状態なのか、どう判断すべきでしょうか。
職場の雰囲気や一部職員の声を聞いて判断すると当然ながら、経営者の主観に寄ってしまったり、一部職員の意見に引きずられてしまいます。
全職員対象の匿名性のある職員アンケートを実施したり、そういった診断ツール等を用いることで、職員の皆様がどのように自身が所属する園を評価しているかを、“客観的”なスコアとして把握することが重要です。
 

“エンゲージメント”スコアを高めるには?

 
客観的なスコアとしてエンゲージメントの状態を把握した上で、次にそのスコアを高めていく取組をしていく必要があります。
「スコアを高めるにはこれだけをやればいい!」という決まった手法は実はありません。
というのも、それぞれの組織の状態や法人が目指したい姿によって、注力するポイントも変わってくるからです。
 
・職員の皆様がどのように自身が所属する園を評価しているか
・園や法人としてはどの要素を強化していきたいのか
を把握し、そのギャップを知ることが重要です。
 
エンゲージメントの8要素はすでにお伝えしましたが、この8要素の中でも、優先度が高く(法人が目指したい姿)達成度が低い(職員が評価していないポイント)要素から順に取り組んでいく必要があります。
具体的な取り組みの事例についてはまたコラムで取り上げたいと思いますが、やみくもに他の法人の改善方法をまねても、それが本当に自法人にとって本当に必要な取り組みかどうかはわかりませんし、職員が求めているものかどうかもわかりません。
そのポイントを抑えた上で、改革すべき要素に優先順位をつけて、取り組む必要があります。
 
さらに、こういったアンケートや診断は1回だけ行って終わりというものではありません。
一度スコアを把握したうえで、園として組織改革に取り組み、一定期間(半年や1年など)を経て再度診断することが重要です。
それまでの改革の方向性が正しかったのか評価をした上で、また改革に取り組む、というPDCAサイクルを回すことが重要になります。
 
 
まずは是非一度、職員アンケートや診断ツール等を用いて、現状の園のエンゲージメントスコアをはかってみていただければと思います。
 
 
—–最後にご案内です—–
船井総研では、上記の8要素をもとに、職場のエンゲージメントスコアを測るシステム「組織SANBŌ」を提供しております。
 
組織SANBŌには主に下記のような特徴があります。
●従業員エンゲージメントの高い企業の研究を重ね、エンゲージメント向上に重要な要素を8カテゴリ40項目に整理!
●性別、年齢、勤続年数、役職、施設ごと等でエンゲージメントスコアの傾向を見ることができる!
●経営者が目指したい方向性と職員からの評価のギャップを確認することができる!
●オンライン上で匿名で全職員がアンケートに回答でき、結果がすぐに反映される!
●1年間の契約期間の間、何度でも診断ができる!
 
下記のようなご相談・ご質問がある方は、下部の「無料経営相談はこちらから」よりお問合せください!
(「お問い合わせ内容」で「その他」をご選択いただき、「エンゲージメント向上について」等ご記載ください)
□より詳細なアンケート項目を見てみたい
□実際のシステム画面やアウトプットイメージを見てみたい
□自分たちの園でもこのツールを生かせるのか知りたい
□診断結果をどう園運営に生かすことができるのか具体的に知りたい
□具体的な金額が知りたい(従業員数により異なります)
 
 

コンサルタントによる無料経営相談受付中

 
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