保育士の安定的な確保のために求められること
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保育士の安定的な確保のために求められること
いつもお読みいただきありがとうございます。
株式会社船井総合研究所の永田屋でございます。
本格的な夏を迎え、少しずつ次年度を見据えた準備を始められているという方もいらっしゃることかと思います。数年前に比べ園児募集や、今日のテーマでもある人材採用などの検討期間は長期化してきている傾向にあり、着実に成果を出すためには早め早めの動き出しが求められるようになってきています。
本日は今からでも検討すべき保育士採用の取り組みと、法人側が「選べる」人材採用の重要性についてお伝えできればと思います。
「選べる」人材採用
皆さまもご存じの通り、全国で少子化が進み、その影響は保育業界にも大きなインパクトを与え始めています。実際に定員割れが都市部・地方関係なく起こり始めており、皆様の園の周辺でも申込者や見学者、ひいては入園者が減少し、定員が埋まり切らない園が現れ始めているのではないでしょうか。そのような環境の中で定員を充足させ、園を存続させるためには、これまで以上に提供する保育の「質」を向上させ、地域の保護者に他ではなくうちを選んでもらう取り組みが重要になってきています。そしてその保育の「質」の根幹を担うのが現場で働く保育士であり、その安定的な採用や定着・育成は、今後よりいっそう大切な要素となってきます。
しかし、全国の保育士の有効求人倍率は、全業種平均の2倍以上と、依然として高い状況が続いています。すでにお伝えしました通り、今後は保育士の「質」が園存続の重要なファクターとなってきます。職員を安定的に確保し、「選べる」人材採用を実現できる法人と、必要数を満たすことに必死で「選べない」人材採用を行っている法人とでは、園運営全体に今後よりその如実に表れると考えられます。
中長期的に「選べる」人材採用を目指すために
「選べる」人材採用を目指していくためには、様々な取り組みがあげられますが、大きく抑えるべきは、①大前提として魅力的な職場を実現し、②それを求職者に正しく伝え、③関心のある求職者を確実に取り切る、というステップが求められます。
①魅力的な職場環境づくり
いかに好条件であったり、広告費をたくさんかけて目に留まるようにしても、そもそもの職場環境に魅力がなければ、その取り組みの効果は大きく下がってしまいます。求職者の希望や意向を正しく把握し、「働きたい」と思ってもらえる職場を目指すこと、それが大前提にして最も重要なステップになります。
②求職者への正しい訴求
求人原稿の限られた情報だけでは、職場環境を伝えきるのは難しくなっています。せっかく魅力ある職場環境を作ったとしても、それが外部に伝わらなければ採用においては効果が生まれません。各種媒体やツール、また見学や面接などのオフラインでのやりとりの中で、いかにいきいきと働きやすい職場であるかを伝えるか、これが2番目のポイントになります。
③確実に採用につなげるアプローチ
最後のポイントは、少しでも関心をもってくれた求職者を確実に採用につなげるアプローチです。皆様の法人では、問い合わせがあったときに、いつ、どのような方法で、どのような内容の連絡を求職者に取り、面接日はいつ決定し、いつ面接し、どのような内定後のフォローを行っていますでしょうか。また複数の応募者が重なった場合、全員に適切にアプローチを行い切れていますでしょうか。当然連絡がなかなかこない、接触頻度が少ないほど関心が薄れていき、どうしても他に目が行きやすくなってしまいます。全員を確実に追い切れる体制を作り、確実に採用までつなげていくことが求められます。
「選べる」人材採用実現に向けて
本日は保育士の「選べる」人材採用についてご説明しました。
人材採用については、保育業界の長年の問題でもあり、採用に向けた様々な取り組みをこれまでも取り組んでこられた方が多いかと存じます。しかし今年はうまくいっても来年はまたどうなるかわからない、という不安定な状況の法人も多いのではないかと思います。毎年安定的に人材を確保し、「選べる」人材採用を実現するために、中長期的な法人づくりを今一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。
弊社では9月28日に、保育士採用の先進的な取り組みを実践されている株式会社アソシエ・インターナショナルの内山様をゲストとしてお迎えし、「保育士採用に困らない法人づくりセミナー」を開催予定です。今日の内容を踏まえまして、少しでもご関心のある方はぜひご参加いただけますと幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。