保育業界の時流5年予測と保育人財戦略を考える<全体像の理解>

皆様
いつも保育園経営.com のコラムをご愛読いただきましてありがとうございます。
船井総合研究所 子育て支援部の菅野 瑛大(かんの あきひろ)です。

保育業界の転換期と人材戦略の重要性

今回はここ数回の「人財マネジメント」に関するシリーズの中でも、
改めて業界時流の整理を踏まえて考えるべきことを解説していきます。
既知の通り保育業界は今、大きな転換期を迎えています。
少子化が加速し、0歳から5歳までの人口が減少しており、これは従来の業界のライフサイクルを大きく変える要因となっています。
この変化に対応するため、保育人材の確保と育成が急務となっています。
政府は「こども未来戦略MAP」を打ち出し、令和7年度には予算が1.1兆円増額されるなど、保育を取り巻く環境は大きく変化しています。
出典:こども家庭庁,「こども未来戦略MAP」
こども家庭庁,「配布資料(R6こども家庭庁補正予算案)」,2024年11月29日
このような状況下で、保育施設は事業収入を上げると同時に、予算の有効活用が求められ、配置状況や給与水準などの重要指標の公開が必須となります。
これまでの「制度に合わせる」だけでは不十分で、「見られる、魅せられる」内容への転換が求められます。

保育業界のライフサイクルと事業展開

従来の保育業界のライフサイクルは、導入期、成長期、成熟期、衰退期という流れで捉えられていましたが、現在、新たなライフサイクルへと移行しつつあります。
 ✓新導入期(2024~2025 年)
  こども大綱の発表に伴い、新たな事業が次々と立ち上がる一方で、選ばれない園の淘汰が始まります。
  この時期には、組織戦略の再構築と、魅力的な環境づくりが求められます。

 ✓新成長期(2026~2028年)
  新規パッケージに加えて、周辺事業の新規案件がラストスパートを迎えます。
  この時期には、中期経営計画と具体的な施策の策定が重要です。
  採用、育成、定着を一体として捉え、給与・評価制度の再構築と運用が必須となります。
 ✓新成熟期(2029~2030年)
  制度や事業が安定し、次の一手を考える時期となります。
  既存事業の深化と拡大領域の決定、新たなキャリアパスの完成を目指し、
  地域No.1のポジションを確立する必要があります。
 ✓新衰退期(2031年~)
  内需だけではなく外需にも目を向ける必要性が高まります。
  生き残るための法人化と、新たな経営計画の策定が不可欠となります。
この新しいライフサイクルに対応するため、保育施設は事業展開を再構築する必要があります。
具体的には、認可保育事業、学童保育事業、企業主導型保育事業、障がい福祉事業など、
多角的な事業展開を検討し、リスク分散と新たな収益源の確保を目指す必要があります。

人材戦略の基本要素

保育における人材戦略の基本は、「採用」「定着」「育成」の3つの要素です。これらはそれぞれ独立したものではなく、相互に連動し、影響し合うものとして捉える必要があります。
 ✓採用
  求職者募集、求職者対応、採用コンセプト設計、配置・採用計画など、
  採用活動全体を戦略的に設計する必要があります。
 ✓定着
  新人・中堅・ベテラン・管理職定着と、階層別に長く働き続けられる環境づくりが重要です。
 ✓育成
  新人・中堅・リーダー候補育成、リーダー・幹部育成、専門性強化など、
  職員の成長を支援する体制を構築する必要があります。
これらの要素を効果的に運用するためには、「仕組み」を導入し、それぞれの段階で目標設定、評価、改善を繰り返す必要があります。
また、個々の要素をバラバラに考えるのではなく、全体を一体化させて捉え、相乗効果を生み出すことが重要です。

次回予告:保育人財採用のヒント「母集団形成」から「入職」まで

今回のコラムでは、保育業界の転換期における保育人財戦略の重要性と、
その基本要素である「採用」「定着」「育成」が連動していることをお伝えしました。
次回のコラムでは、特に重要な「採用」に焦点を当て、以下のポイントを解説します。
 ✓採用活動の因数分解
 ✓採用活動におけるニーズとシーズの理解
 ✓面接は営業交渉の機会
 ✓母集団形成が鍵
次回のコラムでは、これらの内容をより分かりやすく解説し、効果的な保育人財採用につなげるためのヒントを提供します。

制度変革へのセンターピンをとらえる


今回のコラムでは、保育業界における人材戦略の重要性と、その基本要素である「採用」「定着」「育成」が連動していることをお伝えしました。
特に、法人として求める人物像を明確化することは、より良い人材確保のために欠かせません。
しかし、「求める人物像」を明確化すると言っても、具体的にどのように進めていけばよいのか、
また、それを評価制度にどのように落とし込んでいけばよいのか、悩ましい部分もあるのではないでしょうか。

そこで、「24時間で構築!保育業界専用評価制度カンタン解説セミナー」では、
保育事業で“使える”評価制度構築についてお伝えさせていただきます。
もし、以下のケースに一つでも当てはまる場合は、ぜひご参加をご検討ください。
✓監査時に処遇改善分配の根拠として評価結果を明確に示せない
✓現場がやり切れる評価制度を構築したい
✓導入が比較的簡単で効果がある評価制度を検討している
✓自分たちの求める人物像が明確化されていない
✓法人として保育の質向上の実現を目指している
このセミナーでは、評価制度構築の具体的なステップを解説するだけでなく、皆様の法人が求める人物像を明確化するためのヒントもお伝えします。

<開催日程>
全日オンライン(Zoom)開催
① 2025/02/25(火) 13:00~15:00
② 2025/02/26(水) 13:00~15:00
③ 2025/02/28(金) 13:00~15:00
④ 2025/03/03(月) 13:00~15:00
インターネットに接続できるPC・スマートフォン・タブレットがあればどこでも受講可能です!

<参加費用>
・一般価格 10,000円 (税込 11,000円)/ 一名様
・会員価格  8,000円 (税込 8,800円)/ 一名様

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