超少子化時代の保育事業の展開事例

いつもお読みいただきありがとうございます。
株式会社船井総合研究所の永田屋でございます。

本日は歯止めのきかない少子化の中において、事業の展開を実現している事例や、今後どのように保育事業を考えていくべきかについてお伝えいたします。

子どもが激減する地域の中で

皆様もご存知のように、現在日本全体で少子化が急速に進行しています。出生率の低下と共に若年人口が減少しており、今後もその流れが続いていくことは明白な状況となっております。この現象は、都市部・地方関係なく大きな影響を及ぼしていますが、地方の過疎化が進む地域では、住民全体の高齢化が加速し、子どもの数も著しく減少しています。

この少子化の影響は、当然ながら保育所の利用者数にも顕著に現れています。多くの保育所が定員割れに直面しており、収益状況が悪化してしまっている法人が増加しています。加えて特に過疎地域においては子育てサービスをこれまでのように維持し続けることが困難になり、さらに少子化に拍車をかけるケースも出てきています。こども家庭庁においても、人口が減少する社会においてどのように子育て拠点を維持・発展させていくかについて、多角化や多機能化などの議論が進められており、保育施設に求められる役割が市場環境に合わせて変化しつつあります。

このような状況下で、従来の運営方法だけでは事業の持続性が危うくなってきているということは、みなさんの実感としてもおありかと存じます。特に、子どもが激減している地域においては、これまで通りの保育所運営の枠を超え、新たな事業展開へとシフトすることが求められています。少子化は今後も進むと予想される中で、現状のままでは事業の先細りが避けられません。この問題を解決するためには、これまでの事業のみに固執しないより広い視野での経営戦略が求められており、地域社会全体の子ども・子育てニーズに対応できるようなサービスを提供していくことが重要です。

既存のリソースを最大限に活用し、新しい事業機会を創出することで、少子化に対する防衛策を講じるとともに、地域におけるサービスの向上の実現、その先の地域の存続・発展に貢献ができます。業界の変わり目にあるからこそ、これまでの在り方にとらわれない柔軟な視点と創造力が求められています。

人口減少地域でもできる事業展開事例

子ども・子育て業界は上記のような厳しい環境にありますが、そのような逆風の中でも柔軟に事業形態を変え、法人としての魅力向上に取り組んでいる事例も多数あります。

【学童保育・習い事スクール】
従来の保育園では就学後の子どもと接点を持つ機会は多くありません。せっかく一度接点を持ち、卒園していった子どもたちとその後もかかわりを持ち続けられるようにするのは、子どもの数が減る地域においては有効な戦略の一つです。学童事業に付加により、子どもの育ちに関わる時間が長くなり、より広範な子育て支援が可能となります。また習い事等の地域からの募集により、これまで接点がなかった層ともつながりを創出することができます。

【障がい児支援】
昨今発達が気になる子どもが増加する中で、インクルーシブ型の保育もたびたび話題にあがります。障がいの有無にかかわらず包括的に子育て支援を行うために、保育事業者が児童発達支援・放課後等デイサービスを付加する事例も急増しています。最近では定員割れに伴う保育施設の空きスペースを活用し、当該事業を開始するケースも増えています。

【おやこカフェ】
保育施設にカフェなどの地域に開放したスペースを併設するケースも増加しています。これまで保育所は在園している親子のみの閉ざされた空間という色が強かったのですが、地域の子育て世帯が気軽に集えるカフェというスペース併設を通じ、より地域とつながりやすい形を作ることができます。また未就園の子育て家庭との早期接点づくりにより、安定的な園児募集にも寄与することができます。

【こども誰でも通園制度】
新たに全国で試行実験が始まっているのが、こども誰でも通園制度です。令和8年度より給付に含まれるようになると予定されており、事業者の皆様にも今後より身近になっていく事業であると考えられます。オペレーション上の解決すべき課題はありますが、低年齢児との早期接点づくりに重要な役割を果たす事業となります。

上記はほんの一部ですが、そのほかにも地域子育て支援事業、病児保育、医ケア児対応、産後ケア事業など、保育事業者の次なる一手の事例が続々と生まれています。もちろんなんでも詰め込めば良いというものではないですが、先述の通り少子化の中で保育事業一本で事業を継続することにリスクがあるのも事実です。法人により事業や規模、タイミング等を見極め、サービス領域を拡大していくことが、法人を未来に遺していくためには必須の考え方となります。

島内出生数100人未満の小豆島で拡大成長を続ける秘訣


船井総研では、2024年9月11日に、島内の出生数が100人未満の小豆島で続々と事業展開を実現する社会福祉法人清見福祉協会様をゲストにお招きしたセミナーを開催いたします。本日ご紹介した複数の事業の実際の実例について、ゲストから直接話を聞くことができる貴重な機会となっております。今日の内容についての実際の事例に興味・関心がある方は、ぜひ内容をご確認いただき、具体的な戦略づくりにお役立ていただけますと幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

無料個別相談のお問い合わせ

WEBからのお問い合わせ

お問い合わせフォームはこちら

お電話でのお問い合わせ

0120-958-270 (受付時間 平日9:00~17:30)0120-958-270 (受付時間 平日9:00~18:00)

保育園・こども園・幼稚園経営.comを見たとお伝えください。

ページのトップへ戻る