認定こども園・幼稚園における令和6年度の時流予測
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いつもご愛読いただきまして誠にありがとうございます。
船井総合研究所の遠藤めぐみでございます。
いよいよ新年度が始まりました。
新入園児の受け入れ、新たな職員の育成と、何かと多忙な時期ですが、
ぜひこの時期に令和6年度以降の経営の見通しをしっかり立てていただければと思います。
2024年度も「保育園・こども園・幼稚園.com」でのコラムや弊社主催のセミナーを通して、認定こども園・幼稚園に必要な経営ノウハウをお伝えしてまいります。
改めまして、今年度もどうぞよろしくお願いいたします。
令和6年度 二極化の進む認定こども園・幼稚園
以前より、弊社では「令和5年度は『分岐点』となる可能性が高い」とコラム等でお伝えしておりました。
この『分岐点』とは、「事業継続が難しくなり始める園」と、「事業が安定し始める園」の分かれ道のことを指します。
私たちのご支援先やセミナー等に参加いただいた方々とお話をさせていただきますと、
「少子化が進む中、近隣どの園も園児は減少傾向だが、『減り幅』の度合いは各園で大きく違う」
といったお話をよくお聞きします。
園によっては、直近3年の間に、単年で1クラス分の園児が減少しているという例も珍しくありません。
業界内で、ますます「二極化」が進んでいっていることを肌で感じることが増えました。
「新制度への移行」はまだ増加が見込める状況に
二極化が進む業界ですが、直近の業界動向を、1つお伝えさせていただきます。
ますます募集状況が厳しくなる中、状況の改善を目指し、これから認定こども園への移行を検討する園もいらっしゃるかと思います。
ただ、全国の事例を見ておりますと、待機児童ゼロを理由に認定こども園へ移行ができないことや、
仮に移行は認められても2・3号認定の定員を非常に少なく設定することを求められる場合が出てきております。
もし、認定こども園への移行を考えたい場合は、お早めに自治体へのご相談を行っていただけましたら幸いです。
また、上記のようなエリアがある一方、関東や一部のエリアでは認定こども園への移行や施設型給付幼稚園への移行が急増していくと予測されます。
新制度への移行については、都道府県やエリア別に傾向が異なることが特徴です。
(クライアントなどから、お話をお聞きしていますと、各エリアで個別のご事情・背景があられるようです。)
都道府県別の傾向については、文部科学省「令和5年度私立幼稚園の子ども・子育て支援新制度への移行状況等調査の結果」をご覧くださいませ。
参照:文部科学省「私立幼稚園の子ども・子育て支援新制度への移行状況等調査の結果」
https://www.mext.go.jp/content/20231221-ope_dev03-000033247-6.pdf
戦略的拡大か、戦略的縮小か
さて、ここまで業界動向や今後の予測をお伝えさせていただきました。
二極化が進む状況で、安定した園経営を実現させるためには、法人の理念に基づき、
戦略的な“拡大”or”縮小“を決断しつつ、永続のためのマーケティング力を高めることが重要となります。
今後、「戦略的拡大」を目指す場合は、以下に取り組む必要があります。
・総合子ども子育て支援拠点化(後述参照)を視野に、今後3カ年で展開すべき事業を策定
・事業規模拡大に向けた①中期経営計画の策定、②組織体制の見直し の実施
一方、「戦略的縮小」を目指す場合には、以下に取り組む必要があります。
・市場規模に合わせた定員設定(市場調査を基に今後の予測値を推計)
・財務基盤の安定に向け、経営数値管理体制の強化(収支の見える化)
・教職員の対応力の向上(個のスキル、対応力を重視)
以上のように、法人・園の未来の姿を描きながら、
戦略的な”拡大”か”縮小”か、今後の方向性を決定していただければと存じます。
なお、本コラムの内容と関連しまして、2024年度版の業界時流予測レポートを無料で公開させていただいております。
ぜひ、ご活用いただきこれからの経営戦略を検討いただけますと幸いです。
株式会社 船井総合研究所
子育て支援部 教育グループ
遠藤めぐみ
認定こども園・幼稚園業界 時流予測レポート2024
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