園児募集成功のため、保護者の購買行動を捉えられていますか？

2023年10月17日配信

テーマ：: 園児募集

いつもご愛読いただきまして誠にありがとうございます。
船井総合研究所の遠藤めぐみでございます。

あっという間に秋になりました。どちらの園でも園児募集の大詰めの時期が到来しているかと思います。皆様の園では、例年と比較しましてどのようなご状況でしょうか。

さて、少し遡りますが夏本番の8月上旬に、東京・大阪の2会場で、園児募集に関するセミナーを開催させていただきました。日本全国、様々なエリアから30法人を超える皆様にご参加いただきました。お忙しい中でお時間を作っていただき、誠にありがとうございました。

セミナー内では、幼稚園・認定こども園が園児募集を成功させるために気を付けるべきポイントを実践事例も踏まえ、様々な角度からお伝えさせていただきました。

今回のセミナーでも多くの学びがあったのですが、とりわけセミナーご参加者様との議論の中で、「顧客志向」の大切さを再認識させていただきました。
「今の保護者って・・・」と、よく耳にしますし、私自身もコンサルティングの中で用いてしまうワードです。

しかしながら、その「今の保護者」とはどういう存在なのか、そのニーズに応えていくためには、細かな点でアンテナを張っていかなければなりません。
本日は、「今の保護者」を捉える上で、参考となるフレームワークをご紹介させていただきます。

「DECAX」で考える保護者の購買行動

唐突ですが、皆様「DECAX」という言葉をお聞きになったことはございますでしょうか。

先日、開催しましたセミナーでは多くの方が初耳とのことでしたので、あまり馴染みのある考え方ではないかもしれません。

DECAXとは、購買行動を5つに分け、それらから1文字ずつ取って集めた言葉です。

D：発見（Discovery）
E：関係構築（Engage）
C：確認（Check）
A：購買（Action）
X：体験と共有（eXperience）

これを保護者の購買行動に簡易的に当てはめてみますと、以下のようになります。

D：園の存在を認知する
E：園のホームページにアクセスする
C：園の特色などを調べる
A：入園する
X：園生活の体験・口コミの共有をする

DECAXの「C」が大切な時代

DECAXの内容について、ご紹介させていただきましたが、この購買モデルは「インターネット時代に適応したモデル」と言われています。
その上で、これから入園者を集めていく上で、大事になってくるものは、「C：確認」のフェーズであると認識いただければと思います。

例えば、皆様がどこかでご飯を食べようとした時、ただ歩いて探すだけではなくインターネット上でもお店を検索されると思います。

そして、お店が発見できたら、お店の名前や料理の写真、メニューを見ると同時に、「口コミ」なども確認し、そのお店が美味しいということが「確からしいか」を可能な範囲で調べるのではないでしょうか。

情報があふれかえる現代において、何かを購買する前には、確認できる情報をよくよく確認してから購買に移るというのが、一般的になっています。（私自身の購買行動を振り返っても、口コミを見ずして物を買うことはほぼないと言えます。）

発信していないことは伝わらない

ここまで「C：確認」が重要とお伝えしてきました。園児募集に置き換えて考えますと、保護者が園のことを知るために「より多くの確からしい情報発信がなされている」ことが大切になります。

時々、経営のご相談をお受けする際に、「うちの園は行事が○○ですごいんです！」「卒園生はみんな○○の部分が伸びているとよく言われるんです！」と熱く語ってくださる方がいらっしゃいます。

そのようなお話をお聞きしていると、「とても素敵な園なのだな」と感じるのですが、その一方で「この話をどれだけ多くの人が見聞きできる状況になっているのだろうか」と不安に思うことがございます。

園内で教育の質を高めていくということは、園児募集の観点で必ず欠かせない要素です。しかしながら、それを発信いただかなければ、当たり前ですが保護者には伝わりません。
ましてや「確認」をよく行ってから購買行動を行う時代ですので、未就園児教室への参加や園見学なども、近隣他園の情報も分かる範囲で確認してからアクションを起こしているでしょう。

「保護者が内容を確認し、次のアクションを起こせる、そんな情報発信ができているか」、改めて考えていきたい点だと感じます。