認可保育所から認定こども園へ移行することを検討されている方へ

2023年6月8日配信

テーマ:
こども園移行 収支改善

認可保育所から認定こども園へ移行することを検討されている方へ

いつもご愛読いただきまして誠にありがとうございます。
船井総合研究所の遠藤めぐみでございます。

梅雨の時期が始まりました。
例年5~6月は各都道府県や市町村より、認定こども園への移行に関する意向調査が実施される時期になります。

認可保育所を運営されている法人様の中には、ご連絡が来ている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

報道番組などでも「少子化」、「出生数過去最低」とよく目にする昨今ですが、このような外部環境ですので、認可保育所の運営だけでなく、認定こども園への移行やその他の事業展開を検討される法人様は増えてきているように感じます。

その中でも、本日は「認可保育所からの認定こども園移行」をテーマにお話をさせていただきます。

認可保育所が認定こども園を目指すワケ

皆様の園がある自治体には、「認定こども園」はありますでしょうか。もっと言えば「保育所から移行した認定こども園」はありますでしょうか。

地域によっては、自治体からの「OK」が出ないことを理由に、「1園も保育所からの移行ができていない」ということが十分あり得ます。

さて、タイトルにあります「認可保育所が認定こども園を目指すワケ」ですが、弊社がご支援させていただいているお客様を見ていますと大別して2つあるように感じます。

1つは、「保護者の就労状況に関わりなく、あらゆるお子様を受け入れられる施設にするため」、そしてもう1つはシンプルに「収入を増やすため」です。

前者は、「地域の子育てを支えたい」という強い志に根付いた考えだと感じています。こども家庭庁でも「すべてのこどもに」というワードが中心に据えられていますが、保護者の就労状況によらず、地域の子育てを支え続けられる施設を目指される法人様が多くいらっしゃいます。

合わせて、上記のような”理念に基づいた望ましいこと”をしながら、「収入が増える」のであれば、次の事業展開を考え、現状の地盤を固める意味でも、移行に向けて舵を切っていくことが考えられます。

一般に、認可保育所よりも認定こども園の方が、必要職員数が多い傾向にあります。そのため、ただ収入が増えるだけではなく、もちろん、その分の人件費も増えることとなります。しかしながら、それらを足し引きしても、弊社でご支援させていただいている法人様では収支差額が増額しておりますので、認定こども園への移行が、次の事業展開を考える上での足掛かりになっております。

認定こども園移行で収入を増加させるポイントとは?

「認定こども園に移行することで収入はどの程度増えるの?」と聞かれることがよくあります。厳密には園児数や職員数によって、結果はまちまちなのですが、施設型給付費(認可保育所では委託費と呼ぶかと思います)だけでも、年間1,000~3,000万円の増額は見込むことができます。

ただし、「認定こども園に移行しても収入が増えなかったと聞くことがある…」とのお声もよくいただきます。この噂は確かに一理あります。収入を増やすためには、認定こども園移行時に2つのポイントに気をつけないとなりません。1つは利用定員の設定、そして、もう1つは1号認定児の充足です。

認定こども園では、1・2・3号認定のお子様を受け入れられるようになります。この時の利用定員の設定は、「1号認定」と「2・3号認定」でそれぞれ行うこととなります。

皆様にとって、1号認定は馴染みが薄いかと思いますが、1号認定としては保育の必要性がない満3歳以上児の受け入れを行うことができます。
(※満3歳児とは、3号認定2歳児と同じ学年で3歳の誕生日を迎えたお子様を指します。)

皆様もご存知の通り、利用定員の区分ごとに園児1名に対する単価が異なりますので、貴園の状況に合わせ、園児充足が可能な定員設定を「1号認定」と「2・3号認定」のそれぞれで行う必要があります。

収入を増加させるためには、上記に合わせて、設定した1号認定児の定員を充足させることも重要になります。認可保育所から認定こども園に移行する園の多くは、移行当初1号認定児の数が少ないため、1号認定の利用定員については、1番下の区分である「15人まで」を設定することになります。

公定価格単価表で、皆様の地域区分での「認定こども園(教育標準時間認定)」の「15人まで」の欄を見ていただければお分かりになるかと存じますが、同じ年齢でも、2・3号認定のお子様の単価よりも1号認定のお子様の方が高い単価が設定されるようになるかと思います。認定こども園へ移行しても、1号認定の充足が進まないと収入が増加しない理由はここにあります。

出典:内閣府ホームページ
認定こども園(教育標準時間認定)
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/law/kodomo3houan/pdf/seisyourei/r050331/tanka-3-1.pdf

認定こども園(保育認定)
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/law/kodomo3houan/pdf/seisyourei/r050331/tanka-3-2.pdf

来年度の移行、今から間に合うのか?

ここまで認可保育所から認定こども園に移行する上で気を付けるべきことをお話ししてきました。詳細には、法人様ごとにケースバイケースの部分も出てくるかと思いますが、ひとつの参考になっておりましたら幸いでございます。

さて、最後になりますが、「今から準備を始めて最短でいつ移行ができるか」というご質問も多くいただきますので、その点について回答をさせていただきたいと思います。

こちらですが、自治体に認めていただければ、今から準備して最短で来年度に移行する(2024年4月から認定こども園として運営を開始する)ことは可能です。
可能というよりはむしろ、これまでに移行してきた法人様を見てきた限り、この時期から動き始めるのが普通だと言えます。

また、今年度は様子を見て来年度になってから再来年度の移行に向けて本格的に動き出そうという法人様もいらっしゃいますが、どちらにせよ決断するのは早い方が良いです。

というのも、市町村や都道府県から移行が認められないというケースが増えてきているためです。
・数年前もしくは昨年までは来ていた意向調査の連絡が最近来なくなった
・近隣の園が移行したという話を前よりあまり聞かなくなった
・自治体の担当者が異動した
というようなエリアは注意が必要かもしれません。

まとめ

本日のメルマガでは、認可保育所からの認定こども園移行についてお話しさせていただきました。

「更に詳しく知りたい!」 とお考えの方がいらっしゃいましたら、7月8日(土)に弊社丸の内オフィスにて開催します「多角化・多機能化セミナー」へぜひご参加ください。

本セミナーは、幼保業界向けに今後の事業展開をご提案させていただくものとなっております。選択いただく講座の中には、「認可保育所向け認定こども園移行」に関するものもございますので、ご興味のある方はこちらへお申し込みをお願い申し上げます。

▼セミナーのお申込みはこちらから▼
https://lpsec.funaisoken.co.jp/hoiku-kodomoen/seminar/099774_lp/

今回はこちらで以上となります。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

株式会社 船井総合研究所
子育て支援部 教育グループ
遠藤めぐみ

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https://lpsec.funaisoken.co.jp//hoiku-kodomoen/seminar/099774_lp

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