【最新版】保育所等の処遇改善等加算Ⅰのキホンを解説

2023年5月23日配信

テーマ:
処遇改善等加算

いつもご愛読いただきありがとうございます。

令和7年度に処遇改善等加算Ⅰ,Ⅱ,Ⅲが1本化される見込みですが、令和6年度はこれまで通りの制度として運用される見込みです。

しかし、1本化に向けてはこれまでの制度から変わる部分もございますが、考え方としてはこれまでの制度を一部踏襲する形となるため、今の処遇改善等加算を理解することが非常に大切になります。

【最新版】保育所等の処遇改善等加算Ⅰのキホンを解説

さて、今回から3回にわたって処遇改善等加算Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ(以下、処遇改善)について解説するコラムをお送りします。
処遇改善の制度は複雑で、「園によってはよくわからないまま申請している」という園もあるのではないでしょうか。
そのような方につきましては、是非本コラムをお読みいただき、理解を深めていただけますと幸いです。

また、「コラムだけじゃよくわからない!」という方向けに、

 

2024年7月9日(火)@東京
2024年7月24日(水)@東京
2024年8月3日(土)@大阪
2024年8月7日(水)@大阪

 

にて「保育所等の処遇改善等加算実践型セミナー」というセミナーを開催予定ですので、是非ご参加ください。

当日は本記事を担当しております、私(居村朋哉)と吉田健人が講師を担当させていただきますので、対面だからこそ細かい質問までお話させていただくことが出来ますので、ご検討いただけますと幸いです。

前置きが長くなりましたが、今回は処遇改善Ⅰについて解説して参ります。

処遇改善等加算Ⅰとは?

処遇改善加算Ⅰ,Ⅱ,Ⅲはそれぞれ補助金の目的がありますが、処遇改善等加算Ⅰは

保育所等で働くすべての先生方の給与を上げるための補助金

です。
そのため、支給対象者は

園長先生を含むすべての先生

となります。
したがって、園長先生から保育士・幼稚園教諭免許をお持ちでない保育補助の先生、事務を担当している職員等すべての方となります。

次に処遇改善等加算Ⅰはどのように計算されるかについて解説いたします。
処遇改善等加算Ⅰは、

①基本分単価と各種加算に含まれる処遇改善等加算Ⅰの金額を足し合わせ
②各月園児数にかける
③それをさらに足し合わせる

ことで計算することが出来ます。
各種加算については、認定区分別の利用定員や園全体の利用定員によって加算を取得することが出来るため、園ごとに状況がことなりますので、自園における加算の取得可否についてはご確認ください。
合わせて、処遇改善等加算Ⅰは園の平均勤続年数に応じて、加算率(基礎分+賃金改善要件分)が変動し、処遇改善等加算Ⅰの金額が増減します。
そのため、同じ利用定員で同じ園児数で同じ加算を取得した場合でも、加算率が異なることで、処遇改善等加算Ⅰの金額は異なります。

加算率と賃金改善要件分

ただ、上記によって大きく変わる部分は基礎分のみとなっており、実際に支給しなければならない、賃金改善要件分は大きく異なりません。
賃金改善要件分は、平均勤続年数が

11年未満:6%
11年以上:7%

となっており、基礎分程大きな違いはありません。
次に処遇改善等加算Ⅰとして支給しなければならない賃金改善要件分についてご説明します。

先述の通り賃金改善要件分は支給しなければならない金額となっております。
それでは、もらった金額をすべて支給しなければならないかというと、そうではありません。
先生方に給与をお支払いすると、法定福利費の事業主負担分が発生します。
この、事業主負担分も処遇改善等加算Ⅰにふくまれているため、支給額+事業主負担分=処遇改善等加算Ⅰとなるように調整する必要があります。
少し具体例をお出しすると以下の通りです。

例)【与件】
処遇改善等加算Ⅰ-賃金改善要件分:100万円
事業主負担割合:15%
【計算】
実際の配分額:100万円×1/(100%+15%)=約86.9万円
事業主負担分:100万円×15%/(100%+15%)=約13.0万円

上記のように計算をして、実際に支給しなければならない金額を算出します。

起点賃金水準について

次に起点賃金水準について解説いたします。
起点賃金水準とは、処遇改善等加算を配分したのちに実際に支給されているかどうかを確認するために比較する金額となります。
認定こども園を開園した初年度や、幼稚園から認定こども園に移行した初年度を除けば、基本的には、当年度の給与ということになります。
(厳密には、昨年度に当年度と同じ雇用条件と給与を受け取っていた場合の給与)
そのため、給与規定を変えたり、昨年と比較して加算率が増加したりする(加算Ⅰ新規事由)ことが無ければ、賃金改善等見込総額は0円になります。
また、幼稚園から認定こども園に移行した初年度の場合、移行しなかった同年における各教職員の給与が起点賃金水準となります。
そのため、加算率が下がったり、教職員数が減少し取得することが出来る加算が少なくなったりして、処遇改善等加算Ⅰの総額が減少した場合には、支給する処遇改善等加算Ⅰの金額も減少し、起点賃金水準も減少するため、園が持ち出して減少した処遇改善等加算Ⅰ分を補填する必要はありません。
また、上記のような運用ができるように、教職員の皆様にはそのようなリスクがある旨をお伝えしておく必要があります。

最後に

以上が処遇改善等加算Ⅰの基本的な考え方となります。
複数園運営している方においては、施設間で処遇改善等加算を移動させたりすることはあるかと思われますが、本コラムでは割愛させていただきます。

より自園の状況に落とし込んだ形でお話が聞きたい方に置かれましては、是非一度セミナーにご参加いただき、個別にお話させていただけますと幸いです。

 

参考資料:こども家庭庁 施設型給付費等に係る処遇改善等加算について

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