管理職の先生に必要な収支管理や財務スキルを身につけてもらう方法
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管理職の先生に必要な収支管理や財務スキルを身につけてもらう方法
いつもお読みいただきありがとうございます。
株式会社船井総合研究所の吉田健人です。
本日は現場で保育士として働いている職員を主任や施設長といった管理職に任命していくために必要な要素について、の第二弾をお伝えいたします。
前回は管理職に必要な職員マネジメントについてお伝えさせていただきましたが、
今回は苦手意識を持っている先生が多い、収支の管理や財務スキルについてです。
法人によっては管理職の先生は特に収支については触れておらず、理事長や代表などの経営者クラスのみが管理している場合もありますが、経営者視点を持った管理職を育成していくにあたっては、自園の財務状況について把握し、改善してくことが必要です。
本日は、経営者視点を持った管理職育成手法として、園の収支管理を任せていくポイントをお伝えさせていただきます。
また、前回のコラム「現場の先生が経営者視点を持った管理職になるために必要なこととは?」についてもご覧ください。
https://hoiku-kodomoen.funaisoken.co.jp/category-nursery-post-8891/
経営者視点を持った管理職に必要な収支管理の知識とは?
管理職として園運営を行い、保護者対応や職員マネジメントを実施することも重要ですが、もう一つの管理職としての重要な業務として、園の財務面での運営管理・収支管理があります。現場の保育士として入職し、管理職になった先生には、この収支管理や財務スキルを習得するタイミングがなく、「よくわからないから触れていない」という方も多くいます。
ただ、より高い視点をもって俯瞰的に園全体の状況を把握するうえでは、園の収支状況の把握は必須となります。これから管理職の先生に収支管理や財務に関するスキルを身につけていただくために必要な3つのポイントをお伝えいたします。
①保育業界の補助金の構造・収入の種類を把握する
まずは、収入の把握についてです。
保育業界では収入の多くを占める補助金について、園児数や適用となっている加算で支給されますが、この仕組みを知っておく必要があります。
こちらは施設型給付費・地域型給付費・企業主導型保育事業などによって構造が異なりますが、「大きく園児数によって金額が左右される」「処遇改善等加算のように使途制限が細かく設定されているものがある」というところは共通のポイントです。
そもそも園に入ってきている収入の仕組みや、園児が一人増えるごとにどのくらい収入が増えるのかなどを把握するところが資金管理の第一歩となります。
②比率の高い費用を把握する
補助金の構造や収入についての仕組みを把握した後は、支出についてです。
保育業界では最も率の高い費用は人件費となりますが、この人件費の比率が収入に対してどのくらいとなっているのか、を把握しておくことが次のポイントとなります。
現場から管理職になっている先生であれば、人件費の面よりも、研修費としてどのくらいの予算が割かれているのか、保育園の備品を買い替える予算はあるのか、という現場レベルの費用が気になることも多いですが、まずは大きな割合を占める支出について把握し、適正な人員配置のためには現状からあとどれくらいが人件費として支出できるのか、を把握することでより高い視点で園運営を考えることが出来ます。
また、近年は採用に係る費用も高くなっている園が増えているため、職員一人当たり採用するのにどのくらいのコストがかかっているのか、を管理職の先生にも共有しておくことで園での職員マネジメントの重要性、職員定着率を上げることの重要性をより感じてもらうことが出来ます。
③収支改善のための施策を考えてみる
収入・支出の状況を把握出来たら、園で収支を改善するためにはどのような施策を実施する必要があるのかを考えてみましょう。
園児の状況によっては、保護者満足度を高め、第一希望入園数を増やすような園児募集を積極的に実施することで収入が増加する場合もありますし、園児が定員いっぱいで収入が頭打ちの場合は、支出項目を見て、備品の費用等、不要な費用、無駄になっている費用がないかを検討することもできます。園の収支状況を把握して初めて、これまで現場では当たり前になっていた不要な支出に気付くことが出来る場合もあります。
収入と支出の状況を把握した後は是非、収支改善の施策検討までを実施し、年度末であれば、来年度に向けた施設の予算書作成などをしてみるのも良い視点となります。
以上となります。
現場から管理職となる先生が持っておくべき考え方の一つとして、園の資金管理・収支管理について、是非実践をいただけますと幸いです。
保育業界向け幹部育成カレッジ
いかがでしたでしょうか?
本日は管理職の先生に必要な収支管理や財務スキルを身につけてもらう方法と題して、
園の資金管理・収支管理についてお伝えさせていただきました。
これから経営者の右腕となる管理職を育成していこうとされている方や、園長先生等既存の管理職の先生にもっと経営的な視点を持ってほしいと考えている方などは是非ご参考頂ければと存じます。
また、弊社では2023年4月から9月の6か月をかけて、
これからの法人運営を考えていける経営者視点を持った管理職を育成する全6回の研修を実施いたします。
次世代の管理職育成を検討している法人様は是非、職員の参加をご検討いただけますと幸いです。
全6回の研修プログラムを通して、本日お伝えした、管理職に求められるスタンスやスキルを身につけることが出来ます。
興味のあるプログラムにスポットでご参加いただくことも可能ですので、
本日の内容を踏まえまして、少しでもご関心のある方はぜひご参加いただけますと幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。