企業主導型保育事業者も知るべき10年間の時流

2023年3月3日配信

テーマ:
時流・業界動向 企業主導型保育

▼『保育業界向け 時流予測レポート2024 ~今後の見通し・業界動向・トレンド~』 無料ダウンロードはこちら

保育業界向け 時流予測レポート2024 ~今後の見通し・業界動向・トレンド~

   
企業主導型保育事業の新設や増員が終了し、保育業界としては次のステージに変わる時期に入ってきました。
また、厚生労働省の人口動態統計速報(令和4年12月分)にて2022年の出生数が80万人をわったことが発表された通り、施設整備が最大化された一方で、少子化は進む一方です。
 
今回は事業の今後を考えるうえで、これまでの業界の流れを整理します。
 

保育市場の第一次成長期

 
保育施設が全国的な整備は、2013年度からの「待機児童解消加速化プラン」及び「子育て安心プラン」をきっかけにスタートしました。当時は保育ニーズのピークを2017年度と予測されており、同年度までに約40万人分の量の確保を目標としました。ここでは主に、認可保育所を中心に整備が進められました。
 
特に、実績のある認可外保育施設の認可移行や、事業所内保育施設の規制緩和、小規模保育事業の先取り(幼稚園での預かり保育や認定こども園での預かり強化含む)によって推進されました。つまり、この時期は既存事業者を中心としており、新規参入が難しかったことがうかがえます。なお、はじめ2年間における「子育て安心プラン」で計画された約20万人分の量の確保を達成し、翌年度には約9.5万人分の整備が進み計画を前倒しで進めることに成功しました。一方で、保育ニーズはより一層増しており、ピーク予測が後ろ倒しになることで、更なる整備が求められるようになったといえます。
 

第二次成長期に向けた計画

 
「子育て安心プラン」から引き継ぐように「子ども・子育て支援新制度(以下、新制度)」が発表されました。これによって、2017年度までの量の確保が50万人分迄増員され、保育ニーズ増加に伴う待機児童対策として、先手を打つ形をとりました。そこで新制度では、
 
従来通りの認可保育所等に加えて小規模保育事業による、特に待機児童となりやすい0-2歳の受け皿を整備していくこととなりました。しかし、認可事業では計画実行に時間を要したり、既存事業者だけでは計画のスピードには十分でなく、新規事業者参入を促すきっかけの一つとして、企業主導型保育事業も併せてスタートしました。これによって、各法人自らが雇用を促進すると同時に待機児童対策を行うことができる仕組みとなりました。
 

保育事業は成長期から成熟期へ

 
企業主導型保育施設をはじめ、認可保育所や認定こども園等の整備を進めたことで、短期間で成長期から成熟期に達しました。
これまでは出生数よりも共働き世帯等の増加数が上回っており、業界規模が拡大し続けていました。しかし、ここ数年の出生数の減少は想定よりも早く、保育ニーズが急速に鈍化していきます。
つまり、徐々に淘汰の時代に突入することを示しています。
事業参入して数年の、企業主導型保育事業を経営されている皆様においては、投資・回収ができているか、今後も継続的に法人にとってのメリットを残すことができるものかを効果検証する必要があります。そして、事業継続においては、これまでのやり方から大きく方向性を変えていかなければなりません。
 

事業ライフサイクル別のニーズとシーズ

 
成長期までと成熟期以降の顧客ニーズは大きく変わります。これまでは供給不足に伴い、事業者優位の環境でした。ところが、需給バランスが転換点を迎えていない現時点ですらも、顧客はサービスを「選ぶ」ようになってきています。
つまりこれまで以上にサービスの差別化やマーケットインの考え方が重要になっていきます。保育事業においては、大きな差別化が行いにくいと考えられています。しかし、ここが作りきることができれば、事業継続において優位性を獲得することができます。
ポイントは、①法人特性を活かしたブランドコンセプトを再構築する、②従業員(保育者が)共通テーマをもってサービスを提供し、③そのクオリティを上げていくことにあります。
この実現には、少なくとも2~3年計画で進める必要があり、「今」準備することで、数年後に控えている衰退期にも、選ばれ続ける、残り続ける園(法人・事業)づくりに繋がります。
 

次の10年に向けてすべきこと

 
保育事業はある一定ラインを超えると、安定感が非常に高いものでありますが、ゆえに経営のPDCAの実行を怠ってしまうケースが多く見受けられます。選ばれ続ける園づくりを目指して、しっかりと事業の見直しを繰り返すことが重要です。
さらに10年先を見据えた際には、本事業が法人にとってどのような効果を発揮しているのか、そして、さらに法人・事業を強化していくためには、周辺事業も含めた新規事業をどのように考えていくべきかを整理していくことが求められています。
 

▼『保育業界向け 時流予測レポート2024 ~今後の見通し・業界動向・トレンド~』 無料ダウンロードはこちら

保育業界向け 時流予測レポート2024 ~今後の見通し・業界動向・トレンド~

無料個別相談のお問い合わせ

WEBからのお問い合わせ

お問い合わせフォームはこちら

お電話でのお問い合わせ

0120-958-270 (受付時間 平日9:00~17:30)0120-958-270 (受付時間 平日9:00~18:00)

保育園・こども園・幼稚園経営.comを見たとお伝えください。

ページのトップへ戻る