私学助成幼稚園を対象とした処遇改善について

2022年3月16日配信

テーマ:
処遇改善等加算

私学助成幼稚園を対象とした処遇改善について

皆様、いつもお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所の尾上でございます。

 

今回はタイトルにもある通り、私学助成幼稚園を対象とした処遇改善である「幼稚園の教育体制支援事業(私学助成園)」について、現時点(3月14日時点)で公開されている情報を踏まえてお伝えさせていただければと思います。

 

令和3年11月19日に閣議決定された「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に基づき、保育士等・幼稚園教諭、介護・障害福祉職員等を対象に実施される月額9,000円程度の今回の処遇改善ですが、今年度2月から処遇改善を実施する園の先生方は2月中に計画書類の提出を終えられていることと思います。
(来年度4月から実施する場合についても、3月18日時点ではすでに計画書類を提出済みの先生方も多いと思います。)

 

しかしながら、本事業の通達から申請書類提出までの非常にタイトなスケジュールであったため、
「先生たちの待遇を良くしたいと思って言われた通りに申請したけれど、本当にこれで良かったのか…」
「補助金額は減る、補助金額がそもそもなくなるという話も聞いたけど…」
「結局ウチはいくら改善した方が良かったの?補助金の上限額を改善して良かったの?」
上記のようなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

幼稚園の教育体制支援事業(私学助成園)のポイント

ここで、「幼稚園の教育体制支援事業(私学助成園)」(以下「本事業」という)について、ポイントを整理すると、

 

・幼稚園教諭等の処遇の改善のため、賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提としているため、補助事業終了後も、引き続き、処遇改善に取り組まなければならない
・処遇改善に必要な経費の内、2022年2月~2022年9月は4分の1の法人負担、2022年10月~2023年3月は2分の1の法人負担となり、2023年4月以降も引き続き補助事業が継続するかは不明

 

この2点になるかと思います。

 

これはつまり、「本事業を活用して賃金改善した場合、改善後の賃金水準を維持し続けなければならないが、そのための補助事業が続くかは不明」ということになるため、

 

「本事業を活用して先生方の待遇を向上させたいけれど、今後の補助金減額により園の負担が増えてしまうのでは…」
「かといって活用しないと、近隣園との待遇に差がついてしまう…」

 

という、「園の負担増加」と「先生方の待遇向上」とのジレンマで、非常に悩ましい選択を迫られたように思います。

 

実際にご相談いただいた事例では…
法人負担が増えるため、本事業を活用した賃金改善は実施しないという決断をした法人様も、
先生方の待遇向上のため、本事業を活用した賃金改善を実施するという決断をした法人様も、
どちらもいらっしゃったため、ウチの園ではどうするのが正解だったのか?という問いに一概に結論を出すことが難しいところですが、本当に考えなければならないことは今回の決断を踏まえ、今後どうしていくか?ということです。

 

考えるべきは、今後どうしていくか?

この問いについて考えるヒントは「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」にあります。

 

この事業は本事業と同じ処遇改善の事業で、施設型給付を受ける幼稚園(新制度幼稚園)や認定こども園等が対象となる事業になります。

 

詳しい説明は「2022年2月開始 保育士・幼稚園教諭の給与引き上げについて」というタイトルの本メールマガジンの過去コラムをご覧いただければと思いますが、本事業との大きな違いは補助割合で、本事業は処遇改善の経費の4分の1(2分の1)が法人負担になるのに対し、保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業は処遇改善の全額が補助されるため法人負担はありません。

 

この違いは非常に大きく、近隣園の状況によっては、先生方の採用や定着に少なからず影響を与えることが考えられるため、施設型給付を受ける幼稚園(新制度幼稚園)や認定こども園への移行を改めて検討をする法人様が増えてくると予想されます。

 

この辺りは私学助成幼稚園と比較してメリット・デメリットをきちんと吟味したうえでご検討いただければと思います。

 

今後も本事業に関わるFAQ等の情報は更新されるようですので、可能な限りタイムリーな情報をこのコラムでもお伝えさせていただければと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

株式会社 船井総合研究所
保育教育福祉支援部 教育グループ
尾上翔太郎

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