2040年の日本の姿からグローバルに考える、これからの園経営の羅針盤

2025年10月27日配信

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その他

いつもコラムをお読みいただきましてありがとうございます。
船井総合研究所の高橋でございます。

10~11月は園児募集における願書配布・提出のタイミングに差し掛かり、令和8年度における園運営の構想を始められている頃かと思います。
また、この時期に運動会シーズンの法人様も多くいらっしゃり、運動会含めた各種行事の準備等で日々慌ただしくお過ごしの方も多いのではないでしょうか。

本日はそんな皆様に向けて少しだけ未来の話をお届けできればと思います。

弊社では、幼稚園・認定こども園の経営者様向けの経営研究会を開催しており、
先日10月度例会が行われましたので、そちらからの学びを一部抜粋してシェアさせていただきます。

2040年の日本の姿と園経営とは?

日本において人口が減少しているのはご存知の方も多いかと思いますが、現在の人口が約1億2,000万人、内生産年齢人口(15-64歳人口)が7,000万人ほどであるところ、15年後の2040年には1億1,200万人にまで減少すると言われています。さらに、生産年齢人口に関しては約6,000万人と大幅な減少が見込まれています。

では、諸外国はいかがでしょうか?ほんの一例ですが、例えばオセアニア地域のオーストラリアでは、現在の人口が約2,700万人、うち生産年齢人口が1,700万人です。一方で同様にして将来予測を見てみると2040年には人口が約3,300万人、うち生産年齢人口が2,000万人と人口の伸びが顕著です。

つまり、幼稚園・認定こども園業界に限らずですが、これからは今まで以上にグローバルな視点を持ちながら経営の選択肢を持たせることが視野に入ってくることかと思います。

加えて、日本に在住する外国人の数も統計上10年前と比較をして2倍になっていますので、日本市場で考えた際にも経営の選択肢は変革を求められているのかもしれません。

諸外国の幼児教育システムから見えること

もう少し、世界に目を向けてみたいと思います。
今回は日本と諸外国における

・配置基準
・保育の質評価

の仕組みについて比較していきます。

▽配置基準
日本では4歳以上児30:1、3歳児20:1、1,2歳児6:1、0歳児3:1という形で運営されていると思いますが、アジア圏、北米・欧州圏に目を向けてみると、

以下のようになります。

*オーストラリア
3‐5歳:10:1
1‐2歳:5:1
0歳:4:1

*シンガポール
5歳:25:1~30:1
4歳:20:1
3歳:18:1
1-2歳:12:1
0歳:5:1

*イギリス
3‐5歳:8:1
2歳:5:1
0‐1歳:3:1

*アメリカテキサス州(※州によって異なる)
5歳:15:1
4歳:13:1
3歳:11:1
2歳:9:1
1歳:5:1
0歳:4:1

いかがでしょうか?感じ方は様々でしょうが、総じて日本と比較して厳格な配置基準(≒手厚い配置)が運用されていることがうかがえます。

▽保育の質評価
日本では、自己評価、学校関係者評価、第三者評価と3つの評価が行われていますが、
国基準で画一された評価のスキームは試行中かと思います。

参考:こども家庭庁
「令和8年度予算概算要求の概要 保育所等における第三者評価改善モデル事業(p.53)」
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/88749a20-e454-4a5b-9da8-3a32e1788a23/bc3a27f0/20250829_policies_budget_79.pdf

一方で上述の4国における保育の質評価に関しては、細かい運用方法こそ異なるものの、第三者評価(≒外部評価機関)が国家(或いは州)主導で機能していて、
一般的には認可を取得していく上での必要条件となっている国が殆どです。

未来の園経営ポートフォリオ戦略

ここまで諸外国の経済情勢、業界の動向について軽く触れてきました。
もちろん、他にも検討しなければいけない事案は沢山ありますが、
昨今、オセアニア、東南アジア地域を中心に海外への園展開をされているケースも少しずつお見受けするようになっています。

冒頭「2040年の日本の姿と園経営とは?」でも記載しました通り、日本の15年後の市場縮小は避けられないことに加え、本コラムで言及しているような国や、それらと水準がとても近い国で育った方やそのお子さんが、今後日本に移住してくる可能性も十分にあるかと思います。

今一度「自園のありたい姿」を明確にしていただく中で、世界情勢にも目を向けていただき未来への羅針盤を手にしていただけますと幸いです。
その検討プロセスに本コラムが何か少しでも参考になりましたら幸いです。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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