園内の教室ではじめる児童発達支援│園併設の成功事例をご紹介
いつもご愛読いただきありがとうございます。
船井総合研究所の金子です。
園内に「発達が気になる子」が増えてきた。
でも今の人員体制では、どう支援していいか分からない——
そんな声が、保育・教育現場で年々増えています。
特に発達に特性のあるお子さまや「グレーゾーン」と言われるお子さまへの対応は、
「本当はもっと丁寧に関わりたいけれど、時間も人手も足りない…」というジレンマを生みがちです。
そのような中、注目されているのが「児童発達支援」の園内併設という選択肢です。
なぜ、園併設の「児童発達支援」が有効なのか?
① 園児の「気になる行動」に、日常の延長でアプローチできる
保育・教育の現場では、集団行動が苦手だったり、こだわりが強かったりと、発達の特性が見えるお子様に日々接する場面が増えています。
そうした子どもたちに、外部の療育機関ではなく園の中でそのまま支援につなげられることで、
「切れ目のない支援」や「日常に即した支援」を実現することができます。
② 通い慣れた園で療育を受けられる=保護者の心理的ハードルが下がる
新たに療育施設を探すのは、保護者にとって負担も大きく、「うちの子は療育が必要なのかな?」という葛藤もあります。
しかし、いつもの園で、顔なじみの先生が支援してくれるのであれば、と
抵抗感が減り自然な形で保護者も受け入れやすくなります。
また、送迎の手間もないため、保護者の負担を減らしながら支援に踏み出せるというメリットもあります。
③ 情報共有がスムーズになるため、子どもの変化を早くキャッチできる
保育士・療育スタッフ・保護者の三者が、同じ拠点で同じ子どもを見ていることで、
・小さな困りごとの早期発見
・園での行動と療育での様子の一致・ズレの確認
・家庭へのフィードバックの質向上
など、より的確な支援と成長のサポートが可能になります。
園併設で児童発達支援を立ち上げた事例
横浜市で4園の保育園を運営する「社会福祉法人なつめの会」様は、発達の特性を持つ子どもたちが年々増える中で、
「本当に必要な支援を、自分たちの手で届けたい」という強い想いから、
2024年9月、園内の空き教室を活用して児童発達支援事業所「りあん」を開設されました。
在園児が外部の療育施設に通う中で、
「保育現場で感じる課題」と「外部の療育施設での支援内容」にギャップを感じていたなつめの会様。
「子どもたちの強みを一番理解しているのは、日常をともに過ごす保育者であるはず」
という信念のもと、保育と療育の一体的な支援体制を自法人内で整える決断をされました。
ちょうど園舎建て替えの時期だったこともあり、横浜市との協議を経て設計を見直し、
10名規模の専用スペースを園内に確保。開設に至ったのです。
「りあん」では、
・保育園でも取り組んできたムーブメント教育・療法
・大型スイング等を用いた感覚統合療法
・子ども一人ひとりに合わせたオーダーメイドの療育プログラム
といった支援を取り入れられています。
外部の施設に通っていた在園児が、通い慣れた園内で安心して療育を受けられるようになったことで、「りあんを楽しみに通う子が増えた」といった声も増加。
現在では15名以上の在園児が「りあん」を利用されています。
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今回ご紹介した事例のように、園の中に児童発達支援を設けることで、
日常の保育・教育現場と一体化した支援体制をつくることが可能になります。
「うちの園でもできるのか?」「何から始めればいいのか?」とお考えの方へ向けて、
園併設型・児童発達支援の立ち上げ成功事例セミナーを開催します。
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・行政との調整・設計段階での工夫
・利用者募集・職員採用・療育内容のポイント
など、具体的なステップを詳しくお伝えします。