処遇改善等加算1本化で変わったものと変わらないもの。
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船井総研の居村朋哉です。
今回は2025年度より始まった処遇改善等加算一本化に関するよくある事例と対応方針について解説いたします。
処遇改善等加算Ⅰ,Ⅲが1つになって区分2に!
変更点の1つとして、旧処遇改善等加算Ⅰ、Ⅲが1つの区分となり、区分2になりました。
事務作業の煩雑さを緩和するために、項目が減ったことは一部簡素化された側面がある一方、新しい制度だけではなく旧制度についてある程度理解をしておく必要もあります。
そこで、旧制度の処遇改善等加算Ⅰ,Ⅲがそれぞれどのような加算だったのかも含め、制度変更後注意しないといけない点について解説します。
旧処遇改善等加算Ⅰ,Ⅲとは?
処遇改善等加算Ⅰ、Ⅲはそれぞれ背景が異なります。
《処遇改善等加算Ⅰ》
保育所等に勤務するすべての教職員の給与を上げること
《処遇改善等加算Ⅲ》
月収の約3%をおおよそ全職員に支給すること
となっておりました。
また支給ルールとしても、
《処遇改善等加算Ⅰ》
園の裁量で一時金としても、毎月の給与としても支給が可能
《処遇改善等加算Ⅲ》
毎月受給額のうち、2/3以上の支給が必要
となっており、それぞのルールを適切に理解しておかないと、支給が難しい状況にあり、これが制度をより複雑にする要因となっておりました。
上記の基準が一部緩和され、新たなルールが追加されることで、区分2(旧処遇改善等加算Ⅰ、Ⅲ)が誕生しました。
区分2で対応しないといけないことは?
区分2に変更後、具体的には何が変わったのでしょうか?
一番の大きな変更は毎月一定額支給しないといけなくなったことです。
具体的には、
区分2+区分3の合計の内、毎月1/2以上の支給が必要
となった点です。
上記を満たしているかを各園で確認するための目安は
旧処遇改善等加算Ⅰの全額を一時金で支給しておらず、一部でも毎月支給していたか否か
です。
上記を満たしている場合、おおよそ1/2以上支給できているケースが多いです。
当然ながらあまりにも少額だった場合は支給状況について注意する必要がありますが、月1万円以上等を全職員に支給している場合はおおよそ上記の条件を満たしている場合が多いです。
処遇改善等加算Ⅰをベースアップで使用していた場合
旧処遇改善等加算Ⅰの使用使途は非常に自由度が高く、ベースアップとしても活用することができました。
そのため、ベースアップ初年度はどの程度処遇改善等加算Ⅰとして支給していたか明確にわかりますが、2年目以降は基本給に溶け込んでいる手前、いくら処遇改善等加算Ⅰとして支給しているかが不透明になります。
そして今年度からはこれまでの賃金改善明細書と異なり、各加算(区分2,3)がそれぞれいくら受給しいくら支給しているのかを求められるようになりました。
そのため、不透明だった支給状況を整理し、いくら支給しているのかを明確にしないと、追加で旧処遇改善等加算Ⅰを支給しないといけないようになります。
上記を実施するには非常に骨が折れる作業になりますが、具体的には
・ベースアップをいつしたのか?
・その際処遇改善等加算Ⅰはいくらあったのか?
・仮にベースアップ前の給与表を適応した場合、現状の各職員の給与のベースアップ分はいくらになるのか?
を確認し、整理する必要があります。
上記は計画書段階から求められる内容となっておりますので、8月-12月にかけて作成する申請書の中で記載が求められます。
今回は区分2について解説いたしました。
毎年少しずつ変化する内容を適切にとらえ、過支給が無いようにかつ余剰が過剰に残らないように適切に対応していきましょう。
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