「新2号認定」を上手に設計し、園児募集を成功させる

2025年4月1日配信

テーマ:
園児募集

おはようございます。船井総合研究所の遠藤めぐみです。
2025年度が始まりました!皆様、今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

全国どこを見てもお子様の数は少なくなっていることが実情です。
しかし、1年前に園児募集に苦戦した園の中には、2024年度の園児募集で「入園者が昨対増」の結果となり「好転した!」という事例が出てきました。

この結果は、ひとえに園経営者や職員の皆様の努力の賜物だと言えますが、いくつかの共通項があることも事実です。

弊社のコラムでは、最新の園児募集の動向や成功事例から、ルール化できたことをお伝えさせていただければと思います。

※「ルール化」とは、船井流経営法の考え方で、事実や成功事例から見出された法則のことを言います。

「新2号認定」と「2号認定」の違い

本日は、幼稚園や認定こども園における園児募集の上で「新2号認定」を上手く設計する重要性をお伝えしていきます。

まず、意外と押さえられていない「新2号認定」と「2号認定」の違いも、改めて確認しておきたいと思います。

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【新2号認定と2号認定の違い】

・新2号認定
満3歳以後の4月1日を経過した子どもで、保育を必要とする子ども
(※認定こども園〈教育標準時間認定枠〉及び幼稚園の預かり保育事業が無償化対象となる)

・2号認定
満3歳以上の子どもで、保護者の就労などにより、保育を必要とする子ども
(※保育園や認定こども園〈保育認定枠〉を利用できる)
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なお、認可保育所では「新2号認定」として預かり保育の補助金を受け取る方がいらっしゃらないため非常に馴染みの薄い用語となっています。

認可保育所では、認可保育所から認定こども園へ移行する際に「初めて新2号認定という単語を聞いた」というケースも少なくありません。

「新2号認定」のメリット

先ほどルール上の新2号認定と2号認定の違いを述べさせていただきました。

とは言いましても「結局新2号認定と2号認定って何が違うの?」と思う方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

両者の違いを理解するために、「新2号認定」が持つメリットをお伝えできればと思います。

園側のメリットは

以下2つです。

①入園者を園の判断で決められること
②入園者の確定を秋頃に実施できること

新2号認定は入園までの流れが1号認定と同じなので、幼稚園の入園フローと同様に「園が入園者を決定する」ことができます。一方、認定こども園や認可保育所を希望する2号認定の場合、利用調整を経て入園決定となるため、園は入園者を決定できません。

また、利用調整を経て入園決定となる場合「1~2月」に入園先が決定します。新2号認定として入園する場合には「秋」に入園確定できることも大きな違いです。

つまり、新2号認定でご入園いただけると、9月~11月には「どの程度の新規入園が見込めるか」「どのようなご家庭が入園するか」が分かるようになります。この点は園にとってメリットと言えるでしょう。

同様のことは保護者にとってもメリットとなります。希望する園に直接入園希望を出せて、秋には入園先を決定できます。その上で補助を受けながら預かり保育を利用できます。

これらのメリットを理解できている保護者であれば「あえて新2号認定を選ぶ」ということも十分にあり得ることだと思います。

※しかしながら、制度を理解できている保護者の方が少ないことも実情です。新2号認定の園児を集めていくためには、園が丁寧に説明を行っていく姿勢が求められます。

「新2号認定」を上手に活用することがこれからの園児募集の肝

「預かり保育ニーズへの対応」は、これまでも多分に話題になってきたテーマです。そのため、認定こども園への移行を決断された方も多くいらっしゃると思います。

ただ、これまでの議論は「1号認定」or「2号認定」という枠組みで行われてきました。しかし、園の実情をお聞きしていますと「新2号認定」を選択する保護者にはまた少し異なるニーズがあると思います。

※それは、先ほど触れたように「入園先を自分で選びたい」×「入園決定時期を早めたい」×「預かり保育を利用したい」というニーズです。

潜在的に「新2号認定ニーズ」の保護者であっても、制度を知らないことで「働くのであれば保育園だ!」と考える場合があります。そのため、園側には「新2号認定」として預かり保育を利用いただくメリットをきちんと訴求していくことが求められます。

本コラムの内容も参考にしていただき、「新2号認定をどう上手く活用していくか」を園内で議論・検討いただければと思います。

※園によっては、平日限定で、2号認定とほぼ同じ金額で新2号認定を利用できるよう設定し、新2号認定の利用者を伸ばすことに成功しています。(これは、長期休みに祖父母の援助を受けやすいご家庭がターゲットとなっています。)

とある園へ実態を伺ってみますと、職員の皆様が「新2号認定」を上手に案内・誘導できていない場合があるようです。例えば、認定こども園の場合、「2号認定の空き枠はありますか?」と保護者から問い合わせを受け、ルール通りに「空き枠はありません!」と返し、会話が終了することがあるとお聞きしました。

※この場合、「2号認定の空き枠はありませんが、新2号認定として安価に預かり保育を利用いただける仕組みがあります!」とご案内できることがベストです!

今日の幼稚園・認定こども園では、「1号認定ニーズ」と「2号認定ニーズ」に加えて、「新2号認定ニーズ」があると思います。

「新2号認定ニーズ」に対する設計(料金、料金の徴収方法、申し込み方法 等)が最適か、ぜひ見直していただければと思います。

株式会社 船井総合研究所
子育て支援部 教育グループ
遠藤めぐみ

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