法人の取り組むべきことを全職員が理解する=理念実装の経営パートⅡ=
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法人の取り組むべきことを全職員が理解する=理念実装の経営パートⅡ=
いつも弊社、保育園・こども園経営.com のコラムをご愛読いただきましてありがとうございます。
船井総合研究所の菅野 瑛大(かんの あきひろ)です。
今回は、これからの5年、そしてその先にもつなげていくための土台作りになるテーマです。
本テーマは、全2回の後編となります。
前編こちらをご覧ください。
選ばれる法人づくりの為の「理念実装」
理念実装の説明として、「日々の保育は、法人理念の実装(具現化)」であるとまとめました。
理論的には、法人理念から保育理念が成り、それを実現させるための全体的な計画と
保育方針や保育目標、詳細な年間計画>月案>週案>日案……と落し込まれ、
日々の業務を行い、保育活動をされていることは既知のことでしょう。
と、いうことは「もうすでに理念実装ができている」のではないか、とも言えます。
実現できているか否か、代表の皆様、園のマネジメントをされている皆様は一度、
お考えいただけますと幸いです。
現場の様子を見聞きされる中で、「これがウチ(自法人)でやりたかったことだよ!」
「提供したかったサービスだよ!」「こういう声をご利用者の方から頂きたかったよ!」
と、この半年、一年、三年の中でどれだけ感じることができたでしょうか?
もし、上記のようなことを毎日の様に感じられていらっしゃる場合は、
理念実装の経営ができているといえます。
しかし、よくよく思い出して数個出るか否か……という場合は意識改革が必要です。
以下では、その方法について解説します。
目指す姿の解像度に比例する理念実装
法人の職員の皆様は、どのくらい法人理念や保育理念を「理解」していますでしょうか?
日々の教育保育を行っていますので、「知っている」ことは相違ないと考えられます。
しかし「理解/知っている」は似て非なるものであり、前者が深まらない限り、
理念実装は進みません。
理念は非常に大きな概念でまとめられていますから、
言葉だけを見て、聞いてすべてを理解することが難しいです。
その結果、現場レベルでは、日々の業務とどうつながっているかはわからない、
という現象が起きたり、経営層の立場からは、もっとこうしてほしいという想いが
生まれたりといったことが発生します。
例えば、「子どもが自由に健やかに育つ保育」という理念があったとします。
保育士をはじめ、保育園・幼稚園業界に従事する方であれば、言っていることはわかります。
ともすると、前回でも記載した通り、他社でもあるような内容です。
そこで重要になるのは、この内容に関する理解度、すなわち「解像度」です。
・なぜ“自由”が大切なの?
・ここで言う“自由”とは何?
・“自由”と“不自由”の違いは?
・これまでの自由とこれからの自由のとらえ方は同じ?違う?
・自法人で実践する“自由”の範囲は?
・なぜ“健やかに”がキーワードなの?
・ここで言う“健やか”とは?
このような、言葉に込められた、意味や背景が明確にしていくことが解像度を上げる、
という作業になります。
そうすると、「だから日々の保育で○○していたのか」という気づきが生まれたり、
「もっとこうした取り組みをしたほうがいい」というアイディアがあがったり、
「ある取り組みで、二つの意見が対立したけど、ウチではこっちだよね」というように、
何かを決める際の基準が見つかったりしやすくなります。
法人の考えや想いを「伝わる」ようにする
大きな方針が伝わるようするためのステップを示します。
Step1:スローガン(理念等)を口頭だけでなく文字化(見える化)する
Step2:Step1の文章の言葉一つひとつにどのような意味が込められているか説明する
Step3:込めた意味に対して、その実現には何が必要か説明する
Step4:今、行っている業務とどのようにリンクするものがあるか事例を出す
ポイントは「わかってもらえない」ではなく「どのようにしたら理解してもらえるか」です。
都度、想いを伝えていても、職員の皆様がそれを理解しようとしても、
“腹落ち”しなければ効果を十分に発揮することはありません。
少し遠回りの様に見えますが、一つひとつ咀嚼して、構造的につたえることが重要です。
より身近なイメージしやすい形で情報を受け取ることで、納得感を得られやすくなったり、
想像力を働かせやすくなったりという効果があります。
伝える量や内容の質はもちろんですが、「伝え方・伝わり方の質を向上」させることが、
法人の取り組むべきこと、取り組みたいことを全職員が理解しやすくなり、
そこに向けて走り出すことができる準備運動になります。
より具体的な方法や事例をお求めの際は、個別相談をご活用くださいませ。
中小企業庁・令和3年度企業向け人権啓発活動支援事業
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◆日程:1月11日(火)16:00~18:40
◆場所オンライン開催(PCがあれば全国どこからでも参加いただけます)
◆講座内容
第1講座:新型コロナウイルス感染症流行下で求められるメディアリテラシー(法政大学キャリアデザイン学部 キャリアデザイン学科 教授 坂本 旬氏)
第2講座:情報社会と人権・見えない排除、バイアスについて考える(鳥取県教育委員会・鳥取県情報モラルエデュケーター 今度 珠美氏)
第8回「【web開催(予定)】「知的財産権と企業経営」
◆日程:1月27日(火)13:30~17:20
◆場所オンライン開催(PCがあれば全国どこからでも参加いただけます)
◆講座内容
第1講座:企業経営にとっての情報倫理(岐阜聖徳学園大学教育学部 教授 芳賀 高洋氏)
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