認定こども園・幼稚園におけるこれからの中期経営計画の策定
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認定こども園・幼稚園におけるこれからの中期経営計画の策定
いつもお読みいただきありがとうございます。
株式会社船井総合研究所 教育グループの高橋叡功(たかはしえいこう)でございます。
2021年度も終わりに差し掛かり、皆さまの園でも卒園式が終わり、自治体へ提出する年度末の各種書類が大詰めのころかと思います。
特に今年度は2月から『保育士等処遇改善臨時特例事業』や『幼稚園の教育体制支援事業(私学助成園)」が施行されたこともあり、例年に加え忙しない年度末をお迎えの法人様も少なくないのではないでしょうか。
一方で出生数の加速度的な減少が懸念されている中で、令和4年度以降の3~5年を見据えた中長期的な園運営も同時に検討、策定する時期に差し掛かっているとお考えの法人様もいらっしゃるかと思います。
そこで、本日は改めて向こう3~5年を見据えた中期経営計画策定の概要についてお伝えしてまいります。
まずは、根幹となる法人としての方向性の確認を!
中期経営計画を策定するにあたり、園児募集、採用、事業展開などの施策・手法から先に考えてしまいがちですが、まず大切なのは「 なんのために、それらをしたいのか 」という法人としての根幹の考え方・方向性です。
飛行機のような乗り物も操縦方法が分からないと飛べないのはもちろんですが、それ以前に目的地がないと離陸が出来ないのと同様です。
法人としての方向性を表す考え方として主に以下の4つがあげられると考えています。
・(法人)理念
・ミッション
・ビジョン
・クレド
それぞれ重要な役割があり、理想形としては園に勤務する教職員全員が上記を熟知したうえで業務を遂行している事だと考えています。
では、次に上記がどのような意味を持っているのかを改めて言語化していきます。
▼(法人)理念
『理念』とはある物事において「このようにあるべき」というような根本となる考えを意味するもの、すなわち「 法人としての存在意義 」にあたります
▼ミッション
ミッションとは法人が社会において、成し遂げたいと考える役割や法人活動を規定するものです
▼ビジョン
ビジョンとは、法人がその法人理念に基づいて作成した目標です
▼クレド
ミッションを教職員軸に落とし込んで考えた時の行動指針にあたります
既に存在する法人様が多くいらっしゃるかとは思いますが、
令和4年度以降の単年度計画や中期計画を策定検討される際に、今一度、
・法人の理念、ミッション、ビジョン、クレドは時代に即して機能しているか
・特にクレドに関しては教職員に浸透しているか
という軸に沿ってご確認いただいてみてはいかがでしょうか
中期経営計画策定の検討順序とは
前項にて「 根幹となる法人としての方向性 」の確認が済んだら次からが施策などの手法の検討に入っていきます。
もちろん、法人様の置かれている状況に応じて多少前後することはあるかと思いますが、策定までの基本的な流れは以下の通り進んでいくことかと思います。
STEP1:理念・ミッション・ビジョン・クレドの設定
STEP2:現状分析(内部・外部・財務)
STEP3:基本戦略構築(売上・園児数などの数値計画)
STEP4:基本経営計画立案(アクションプラン)
STEP5:数値計画立案(KPI)
STEP6:施設別計画・単年度計画
基本的には、前項で言及しました上記STEP1とSTEP2現状分析結果との乖離を埋めていくための施策を各項目で検討していき目標(数値)として設定をしていくという考え方です。
是非皆さまの園でも上記フレームワークに当て込んで法人としての今後の姿について再度ご検討いただいてみてはいかがでしょうか。
本内容に何か1つでも参考になる考えがございましたら幸いです。
株式会社船井総合研究所
保育教育支援部 教育グループ
学校教育チーム
高橋 叡功