今話題の企業主導型保育事業とは!? 最新情報、よくある質問を徹底解説!

①企業主導型保育とは?

企業主導型保育所とは、「企業による従業員のための保育施設」です。 つまりお子様を持つ従業員が自分の子どもを自社の保育園に預けることができる施設です。 小さなお子様を育てながら、従業員が安心して働けることを目的とし、平成28年度より開始されました。
 
既に平成31年3月31日時点で企業主導型保育事業助成決定は、3,817施設、定員86,354人分となっています。
 
共働き世帯が働きやすい環境の整備を後押ししたいという国の強い思いが導いた形がこの企業主導型保育所なのです。

②企業主導型保育は認可外保育園?

保育所にも分類があり、大きく「認可保育園」と「認可外保育園」に分けられます。 一般的な公立の保育園や認定こども園は認可保育園等に該当します。 町でよく見る小規模保育園も、多くは地域型保育事業と分類され、認可保育園の括りになります。
また、2015年4月から施行された、子ども子育て支援新制度の「地域型保育事業」の中の、「事業者所内保育事業」もこちらの認可保育園に分類されます。
 
これら認可保育園は基本的に国や自治体から運営費の助成金を受けて運営しております。
 
一方、認可外保育園は運営費の助成金を受給することはできません。 収入の大部分は保護者からの利用料です。
 
たとえば高付加価値のインターナショナルプリスクールなどは、一般の保育園よりも高額な利用料を保護者から徴収することで助成金を受けずとも経営できております。
 
企業主導型保育園も実はこちらの「認可外保育園」に分類されます。
 
しかし、「認可外保育園」でも運営費の助成金を受け取ることができるというのがこの企業主導型保育の最大の特徴です。
 
その他にも企業主導型保育事業には多くの特徴があります。中でも重要なポイントを次の項目でまとめさせていただきます。
 

③企業主導型保育の特徴は?

企業主導型保育の主な特徴は以下です。
 
1.働き方に応じた多様で柔軟な保育サービスの提供が可能 (延長、夜間、土日の保育、短時間・週2日のみの利用も可能) 2.複数の企業が共同で設置可能 3.他企業との共同利用や地域住民の子どもの受け入れが可能 4.運営費・整備費について認可施設並みの助成が受けられる
 
特に④の助成金について、本事業で支給される助成金は2種類ございます。
 
施設整備費と運営費です。
 
前者は主に建物を建てる際に係る工事費についての助成金で、工事費のうち補助対象内の3/4が補助されます。
 
後者は運営後に支給される助成金で毎月園児一人当たりにつき一定額が補助されます。 (地域や園児の年齢、定員、開園時間、保育士比率等によって助成額は変動します。)
 
これらの助成金が認可保育園並みに助成されるという点がこの企業主導型保育事業の大きな特徴です。
 
例えば、 19名定員(0歳児:5名、1歳児:7名、2歳児:7名)、保育士比率100%、11時間開所、週6日開所で運営した場合の収支シミュレーションが以下の図になります。

④企業主導型保育事業のメリットは?

では、なぜ企業主導型保育がここまで急速に増えているのでしょか。 それは事業者側、保護者側共にメリットが非常に大きいからです。
 
まずは、事業者側のメリットを以下に簡単にまとめました。
 
1.人材の確保・定着・復職・異動に貢献 2.地域の待機児童問題の解消(地域貢献)によるCSR向上 3.事業としての安定運営
 
特に①が事業者側の大きなメリットです。
 
超売り手市場の現代、従業員一人雇うために高額な採用コストが必要です。
 
新卒で採用した女性職員を大切に育てて、ようやく戦力になったタイミングで子育てや出産を機に退職されてしまっては組織にとっては大打撃です。
 
しかし、自社に保育園があれば、このような機会での退職はある程度減らすことが可能です。
 
企業主導型保育事業はこのように中小企業の女性就業率の促進が目的で進められた事業なのです。
 
また、前述の通り認可外保育園ですので、保育料の設定も自由ですし、展開する保育内容も事業者の自由です。
 
さらに、地域の待機児童問題解消に貢献することができれば法人としての社会的評価を向上させることができます。
 
このように企業主導型保育事業には事業者側のメリットが非常に多いのです。
 
 
次に保護者側のメリットを以下にまとめさせていただきます。
 
1.子どもに何かあればすぐに駆けつけられる環境で働くことができる 2.安価な保育料で利用が可能 3.認可には無い特徴的な保育を受けることが可能
 
主なメリットはこれらの3つです。
 
勤務地のすぐ近く(場合によっては併設地)に子どもを預けているので、例えば急な発熱や怪我が起きても、仕事を早退や欠勤することなくすぐに駆けつけることができます。
 
自分の子どもがすぐそこにいる、という精神的安心感もこの事業ならではのメリットです。
 
また、前述の通り、企業主導型保育園は保育料設定が自由です。
 
福利厚生の一環として設置している法人様が多いので、自社従業員の保育料を安価に設定している園がほとんどです。
 
保育料と同様に、保育内容にも制限はありません。 認可保育園では運営することができない、特殊な保育(絵本、病児、英語等々)を展開している保育園もございます。
 
自分が働いている近くで、安価で、自由な保育を子どもに受けさせることができる、という点が保護者側のメリットになっております。
 

⑤企業主導型保育の問題点?

さて、ここまで企業主導型保育の概要やメリットを紹介してきました。 しかし、本事業には課題や問題点が多いことも事実です。
 
過去にメディアでは、助成金の不正受給問題や園児充足率問題、審査団体である児童育成協会の組織体制問題等が報道されました。
 
中でも深刻な問題としてよく耳にするのが、「助成金の支払いが遅れている」という問題です。
 
本事業を活用して保育事業へ参入をするには、国に申請をする必要があります。 その上で国から助成決定を受けることができれば、正式に助成金を受けることができます。
 
しかし、この助成決定を下す権限を有する児童育成協会の動きが鈍く、なかなか助成決定に至らないというケースが数多く発生します。
 
そうなると、当然助成金の支払いが遅くなり、その間にキャッシュが無くなり、経営難に陥ってしまうという問題も発生してしまいます。
 

事業者のよくあるQ&A

弊社は企業主導型保育事業の制度が始まって以来、全国で150件以上の企業主導型保育園の開設サポートをさせていただいております。
 
その中で、事業者様から多くのご質問をいただきます。 ここで、よくあるご質問をまとめさせていただきましたので、ご参考にしていただけますと幸いです。
 
Q1.誰でも企業主導型保育事業制度を活用して保育園を設立できるのでしょうか?
 
A1.誰でも本事業を活用して企業主導型保育園ができるというわけではありません。 参入資格を有する法人は「こども子育て拠出金を納付している法人」に限ります。 「子ども子育て拠出金」は厚生年金に加入している従業員を抱えるすべての企業に納税する義務が課されておりますので、自社に納付実績があるかどうか必ず確認するようにしてください。
 
また、昨年度に始めて事業者選定の審査が行われました。 30,000定員分の枠に対して、約51,000定員分の応募があり、倍率は約1.7倍でした。 この事業者選定の審査を通った法人のみ企業主導型保育園を開設できるのです。
 
Q2.企業主導型保育事業を活用して設立した保育園で得た利益の用途は自由でしょうか?
 
A2.助成金で得た利益の用途は自由ではありません。国に返還しないといけないのが原則です。 しかし、保護者から徴収した保育料等はこの限りではありません。 また、助成金で得た利益についても積立金支出として計上することで国に返還しなくてもよくなります。 設備投資に対する投資回収については、実費で徴収した利益で行う形になります。
 
Q3.自社の従業員の子どものみ預かりたいのだけど可能でしょうか?
 
A3.可能です。 地域枠の子どもは原則定員の50%以下しか預かることはできませんが、従業員枠の子どもであれば制限無く預かることができます。
 
Q4.いつでも企業主導型保育事業に参入して保育園を開設できるのでしょうか?
 
A4.いつでもこの事業に参入できるというわけではありません。 まず、企業主導型保育事業を活用して保育園を開園するためには国に「申請」をしなければなりません。 平成30年度の申請期間は6月15日~7月31日でした。 この申請期間中に必要な書類を全て揃えて申請する必要があります。
 
その上で、無事申請を通過して助成決定を受けることができれば、保育園設立の権利を得ることができた、という意味になります。
 
その後は工事を行い、開園前に必要な準備を行い準備が整い次第、開園となります。 この「開園」の時期については現状特に決まりはありませんが、4月開園が一般的と言われております。
 
Q5.参入に当たってどの程度費用がかかるのでしょうか?
 
A5.まずは、施設整備費についてです。 あくまで平成30年度までの制度に沿って考えると、前述の通り工事対象内経費の3/4が補助されますが、助成金の全額振込みは竣工後になりますので、施工会社への支払いのタイミングでは工事費全額を振り込む必要があります。
 
例えば、12名定員の100平米程度での修繕工事の場合、工事費は約2,500万円程度になります。(坪単価80万円計算) それに開園前準備経費、例えば備品費や保育士採用費等で600~800万円程度必要になりますので、このケースでは開園前で合計3000万円強~3500万円弱程度が必要になるということが分かります。
 
Q6.投資回収はどれくらいでしょうか?
 
A6.助成金で得た利益を投資回収にまわすことはできませんので、 投資回収は、工事費の自己負担分+開園前準備経費を保護者からの利用料等で回収するという考え方になります。
 
例えば、工事費の補助対象経費が4,000万円だった場合、自己負担分は1,000万円。 それに前述の開園前経費(備品費+職員採用費+園児募集広告費)約600万円を加えると合計の投資額は1,600万円。
 
例えば12名定員で保育料を一律30,000円にした場合、一月の保育料収入は、30,000円×12名=360,000円。 さらに360,000円×12ヶ月=4,320,000円が年間の保育料収入になります。
 
つまり、16,000,000円÷4,320,000円=3.7年なので、4年弱で投資回収が可能という計算になります。 もちろん、その他経費がかかる場合がございますので、正確な期間は前後するかと思いますが、大枠の計算方法はこちらになります。
 
こちらもあくまで平成30年度までの制度に準じた計算方法になりますので、令和元年度(平成31年度)の要綱でどのようになるのかは注視しておく必要がございます。
 
Q.7保育園開園に当たり何名程度従業員を採用すればいいのでしょうか?
 
A.7必要になる人員は大きく「保育士」「調理員」「看護師」「事務員」等です。 これはどの加算を申請するのかによっても異なってきます。
 
保育士の配置基準は以下の通りです。 0歳児-3:1 1,2歳児-6:1 3歳児-20:1 4,5歳児-30:1 この計算式で算出した数字の小数第一位を四捨五入して、+1した数が必要保育士数です。
 
つまり、12名定員(0歳児:3名 1歳児:4名 2歳児:5名)の場合、 0歳児-3÷3=1人 1,2歳児-9÷6=1.5人 1+1.5=2.5人 四捨五入して、3人。 +1人で4人が必要保育士数です。 しかし、純粋に4名の保育士で足りるわけではありません。 基本開所時間は11時間or13時間と定められています。 一人の勤務時間は通常8時間なので、足りない時間は例えばパートの保育士等でまかなわなければなりません。
 
Q8.定員設定ってどう決めればいいのでしょうか?
 
A8.定員設定はいくつかの区分に分かれており、6-12名定員が最小区分です。 次に13-19名、20-30名、31-40名定員等に分かれます。 定員設定は面積と配置基準が十分であれば自由に設定できますが、年齢内訳は注意する必要があります。 基本的に保育園の定員設定は三角形型で0歳児が最も少なくなります。(0歳:3名 1歳:4名 2歳:5名等) これは例えば0歳児:5名定員 1歳児:4名定員 2歳児:3名定員にしてしまうと、0歳児5人が次の年も継続して登園を希望した場合、誰か1人が退園しなくてはならないからです。
 
ですので、それぞれの面積に応じて、三角形型で定員設定を行うことが重要です。
 
最後に弊社の過去サポート実績を以下にご紹介させていただきます。 少しでも興味をお持ちの方は以下のリンクよりお問い合わせください。
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